広島県遊協が総会、延川理事長を再選
遊技日本2025年6月30日
広島県遊協および同防犯協会連合会は6月27日、広島市内のリーガロイヤルホテル広島にて令和7年度通常総会を開催。総会は組合員数155名に対し出席132名、委任状4名の計136名で成立。議案審議では県遊協で計5議案、防犯協力連合会で計7議案が上程され、いずれも原案通り承認された。役員改選では、延川章喜理事長が再任された。
冒頭、挨拶に立った延川理事長は「広島県は被曝80周年の節目の年ではあるが、夏に向けて最近は全国で線状降水帯による集中豪雨で土砂災害や洪水被害が多く発生しており、広島県でも平成26年、30年に甚大な被害を受けた。こうした経験から、県遊協では令和2年に広島県と災害協定を結んだ。万が一災害が発生した際には、地域住民の一時避難場所や災害対応拠点としての施設の貸し出し等を行うことで、地域に頼られる必要な存在となるよう努めていただきたい」と協力を求めた。
さらに、「県遊協の60年を超える長い歴史は決して平坦な道のりではなかった。我々の遊技業は、ギャンブルとは一線を画した日本の伝統的な大衆娯楽として発展してきたが、法の遵守はもちろん、業界全体の健全化や社会的な評価向上に努め、そしてこの国民的大衆娯楽を次世代へ繋げていかなければならない。しかし現状は非常に厳しく、店舗数や遊技人口の減少に歯止めがかからず、情勢はより一層深刻化していると言わざるを得ない。さらには2030年の IR開業や、またオンラインカジノに関して再び依存問題が世間から注目されており、遊技業界も指摘される懸念がある。我々業界は依存問題に対して、20年以上前からリカバリーサポート・ネットワークの立ち上げ、自己申告・家族申告プログラムなど先進的に独自の取り組みを続けてきた。今後もより一層、効果的な依存症対策に皆さまのご協力をいただきたい。私ども組合としても、さらに社会貢献に寄与し、遊技人口の拡大と回復という大きな課題に向かって邁進して参りたい」と熱弁した。
来賓祝辞では、広島県警察本部の土肥章裕生活安全部長、広島労働局労働基準部監督課の伊藤俊哉課長が祝辞を述べた。土肥生活安全部長は「ぱちんこ遊技人口がコロナ禍、その他の要因で減少していると聞いている。業界では、のめり込み・依存症対策に向けて古くから取り組まれていることは承知しているが、お客様が安心して遊技そのものを楽しんでいただくために、さらなる継続と健全化へのご尽力をお願いしたい」と話した。
続く行政講話では、広島県警察本部生活安全総務課許可等事務担当室の高田秀則課長補佐が登壇。「ぱちんこ営業の健全化等についてお願いしたいのは4点ある。1点めは各種ガイドラインの遵守について。広告宣伝や貯玉再プレイについてガイドラインが制定されていると承知しているが、今も広告宣伝の是正勧告事例が見受けられる。こうした状況が続けば、ガイドラインによる業界の自主規制という仕組みそのものに疑問が抱かれる。さらなる自浄努力をすることで健全化への推進をお願いしたい。2点めは、のめり込み・依存症防止対策について。オンラインカジノは重大な課題であり、ぱちんこ営業はこれらギャンブルとは異なるものではあるが、厚生労働省が発表したギャンブル関連問題実態調査においても、ぱちんこ・パチスロは規模が大きくその割合も高い。的確な対応と各種取り組みを引き続きお願いしたい。3点めは、不正防止対策について。全国的に見れば、遊技機の不正改造事犯や賞品買取り事犯は近年も発生している。特に賞品買取事犯は賭博との一線を画す上で根幹となる規制に違反するもの。業界を挙げて根絶するよう取り組んでいただきたい。4点めは、子どもの車内放置事案の防止について。これから特に注意が必要な時期となるため、店内アナウンスや駐車場巡回などの実施をお願いしたい」と話した。
総会終了後には懇親会も開催。会場には来賓として広島県議会議長の中本隆志氏や全日遊連の千原行喜副理事長も駆けつけ祝辞を述べた後、回胴遊商の大饗裕記理事長の乾杯の音頭でスタート。盛大に行われた。
※回胴遊商理事長の大饗(おおあえ)の「あえ」の字は、正しくは上が「郷」ですが、ご覧の環境によっては正しく表記されない場合があります。