日工組通常総会で榎本理事長を3選、乾坤一擲で勝負の2年へ
遊技日本2025年6月6日
日工組の第65回通常総会が6月5日、都内千代田区のグランドアーク半蔵門で開かれた。全ての議案を滞りなく可決し、任期満了に伴う役員改選では榎本善紀理事長の3選が決まった。
事業報告書によると、当期(令和6年4月1日~令和7年3月31日)のパチンコ機の証紙発行枚数は約82万枚(遊技盤約38万枚を含む)で前期比約8万枚増と前年度を上回り、同じくパチスロ機の証紙発行枚数も約26万枚で前期比約1万枚増となった。事業計画では、パチンコを回復させることが喫緊の最重要課題とし、羽根モノやライトスペックを含め、多様な遊技機の開発を推進していくほか、パチンコ機との連携といった取り組みやホールにおけるキャッシュレスの検討、「KIBUN PACH-PACHI委員会」を通じたイベント活動を精力的に進めていくとした。
総会後の懇親会には、多数の業界関係者が出席。登壇した榎本理事長は、低調が続くパチンコ市場について、「いろんな方面から射幸性に偏りすぎているという意見もいただいている。決してそれを目指しているわけではないが、結果的にそうなってしまっていること、評価に繋がっていない現状も自覚している」と、様々な施策が結果に表れていないことにもどかしさを滲ませ、任期2年以内にパチンコを立て直すことを誓った。
さらに、ファン人口回復施策については「ルール改正はもちろん、知恵を絞って組み合せ、ユーザーファースト視点で新しいエンターテイメントを提供していく。未来遊技機委員会で現在、昔ながらの二種や権利物タイプなどの低射幸機企画を進めており、多種多様でヒット機が生まれる環境を提供していく」と明かし、新執行部とともに乾坤一擲で結果を出す姿勢を見せた。
来賓祝辞では、警察庁保安課の永山貴大課長の祝辞を山形慎之介課長補佐が代読。昨今世間を騒がすギャンブル等依存症問題に言及し、「業界におかれては、のめり込み・依存防止対策に資する射幸性を抑止した遊技機の開発・製造に取り組んでいただいているものと承知しているが、引き続きこの取り組みを推進することを期待している」と述べた。最後に「皆様とは随時コミュニケーションを図り、業界の課題や取り組みについてお聞かせいただいているところだが、今後も日工組としての課題、意見に真摯に耳を傾けながら、業界全体の健全化に向けた取り組みをしっかり支援していきたい」と方針を示した。
なお、総会で決議した新役員は以下の通り。
■新役員一覧(敬称略)
代表理事・理事長 榎本善紀
副理事長 盧昇 星野歩 小倉敏男(新任)
専務理事 木岡保雅
理事 新井宏明 梅村尚孝 安藤昇
会計担当理事 金子明利(新任) 松下智人(新任)
技術担当理事 渡辺圭市
監事 山本健(新任)