盛岡のパチンコホール企業、飛鳥商事が破産手続き開始決定、負債35億円
グリーンべると2024年10月29日
盛岡市のパチンコホール企業、飛鳥商事(資本金1,050万円、宮崎隆行代表、従業員約80名)は、10月28日までに事業を停止し、同日、盛岡地方裁判所より破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は2023年9月期末時点で約35億3,500万円にのぼる。信用調査機関が伝えた。
飛鳥商事は1994年1月に設立され、岩手県沿岸部で《ユニオン宮古》《「ユニオン磯鶏》《ユニオン山田》などのパチンコホールを運営するほか、北上市に温浴施設「まーす北上」を展開していた。最盛期には複数のパチンコホールや温浴施設を運営し、2007年9月期には年収入高約250億円を計上するなど、順調な成長を遂げていた。
しかし、経営の多角化とグループ規模の拡大に伴う金融債務が増大する中、2011年の東日本大震災により沿岸部の店舗が被災し、その後も新型コロナウイルスの影響で営業自粛を余儀なくされたことが収益に大きな打撃を与えた。震災復興需要の収束により集客力も低下し、2023年9月期の年収入高は約25億5,600万円にまで落ち込んでいた。また、関係会社3社に対する法的整理(特別清算)に伴う貸倒処理も重なり、7期連続の赤字決算により財務状況は大幅な債務超過に陥っていた。
近年では第三者への店舗譲渡を試みたが交渉は不調に終わり、資金繰りが限界に達したことで破産申請に至った。