MIRAI公開勉強会に256名が聴講、「ユーザーイン」の考え方を学ぶ
グリーンべると2022年2月16日
MIRAIぱちんこ産業連盟は2月16日、アイリスオーヤマ株式会社代表取締役会長の大山健太郎氏を講師に迎え、第4回公開経営勉強会をZOOMを使って開催した。
アイリスオーヤマは、ペット用品や家電、マスクなどの生活用品から、オフィスや工場等のビジネスソリューションまで幅広い事業を展開するグローバル企業。業績は東日本大震災やコロナ禍でも落ちることがなく、売上高はグループ全体で8,000億円超(2021年度)を達成している。
今回の講演では、「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」と題し、大山氏が19歳で父親から事業を引き継ぎ、8,000億円企業になるまでに至ったターニングポイントや商品づくりの考え方などを披露した。
同社は東大阪のプラスチックの下請け会社からスタート。大山氏が20代の頃は自社商品としてプラスチック製の「養殖用ブイ」や農業用の「育苗マット」を生産するなど、資材メーカーとして成長していった。しかし、オイルショックで状況が一変。債務超過の経営危機に陥ったという。
この危機を乗り切るためにリストラを断行し、発祥の地である大阪工場も閉鎖。大山氏は、「これが全ての原点。会社をつぶさないために何をすべきか考えた」と振り返った。
そこで、これまでのプロダクトアウトの商品づくりから、マーケットイン=ユーザーインの発想で消費者のニーズに合わせて商品を作り、利益を出す仕組みに徹したという。その一例として、ガーデニングブームを生み出した園芸用品や中身がみえる透明な衣装ケースなど、消費者の不満や不足を解決するアイデアを取り入れてヒットした商品を紹介した。
大山氏は商品の価格についても「売りたい値段でなく、消費者が買いたい値段で考えている」と述べ、そのために内製化に徹するなど、他のサプライチェーンとの違いを強調した。
その上で、「冷静に物事をみて、おかしいと感じるところにビジネスチャンスがある。業界のことではなく、ユーザーインで物事を考えるとチャンスは広がる」と述べ、「パチンコ業界も同じではないか。同業者を見ないで、客のことを見る。客の不満を考えて、客のために何をすべきかを考えると大きく変わるのでは」などと助言した。
今回の公開経営勉強会にはMIRAI会員企業から201名、非会員企業から55名の計256名が聴講した。