MIRAI、アイリスオーヤマ会長招き経営勉強会
遊技通信2022年2月18日
MIRAIぱちんこ産業連盟は2月16日、都内台東区のオーラムで第4回MIRAI公開経営勉強会を開催し、講師にアイリスオーヤマ株式会社の大山健太郎代表取締役会長を招き、「いかなる時代環境でも利益を出す仕組み」と題した講演を受講した。リモートもかねて行われた勉強会には会員、非会員合わせて256名が参加した。
アイリスオーヤマは1958年に東大阪市で創業し、80年代に家庭用プラスチック製の半透明収納ケースの爆発的ヒットによって大きく成長。2000年代には家電分野にも参入し、東日本大震災後にはLED照明の開発にも注力し、以来、生活用品やインテリア用品、園芸用品など幅広い事業を展開するなかで高い利益率を誇る企業に成長している。開会に向けた挨拶で東野昌一代表理事は「大山会長は私たちにとって経営の大先輩。同業他社から学ぶべき点も多いが他業種から学ぶべきところも多々ある。本日はお忙しいなか、大山会長においでいただき大変感謝している。パチンコ産業は厳しい時代を迎えているが、本日は明るい未来に向けたリスタートを切る日になれれば幸いだ」と述べた。
登壇した大山会長は、自身の経歴やアイリスオーヤマの社歴を語る中で、製品開発の基盤となる開発方針を、企業側の論理を優先させる「プロダクトアウト」から、顧客が求めているものを調査し、それに基づいて開発する「マーケットイン」へ、さらにユーザーの不満、不便を解決する「ユーザーイン」へシフトさせていったことを説明。「当社も最初はプロダクトアウトで突き進んできたが2年で債務超過を起こし倒産寸前まで陥った」「会社は永遠に存続させて行くためには利益を出すことが大事。利益を出すには消費者ニーズを組み入れた製品開発が必要になる」「日常生活や物事に対しておかしいなと思うところがあれば、アイデアが出て、それがビジネスチャンスに繋がっていく」と、ユーザーインの開発方針が重要との考えを強調した。また、大山会長は同社製品の価格面に触れ「よくアイリスオーヤマの商品は安いと言われるが、それは会社が売りたい値段をつけるのではなく、消費者がこれだったら買っても良いという値段でものを考えるから。それを可能にしているのはバイヤーという壁のない流通コストの削減であり内製化だ。現在、国内企業のほとんどはサプライチェーンが主流だが、当社は開発から製造、販売に至るまで内製化を推し進めている」と、サプライチェーンとの違いを強調。流通コストの軽減が価格設定に大きな影響を及ぼしていると語った。
パチンコ産業については「あまり詳しくはないが」と前置きした上で「玉が良く出るとか、新台が導入されたということも大事だが、アメニティ空間としての環境が大事ではないかと思う。あまり同業者や過去は見ない方が良い。いかにファンに楽しく遊んでいただける環境を提供することができるかを考えていくべきではないか」と呼びかけた。