台数シェアが史上初の逆転、パチンコのアウトは過去最低に/DK-SIS白書2025年版
遊技日本2025年7月17日
ダイコク電機は7月14日、都内文京区の東京ドームホテルにて、「DK-SIS白書2025年版-2024年データ-」刊行記者発表会を開催した。
2024年のホール業界の市場規模は総売上16.2兆円(前年比0.5兆円増)、総粗利2.54兆円(前年比同)。売上規模は2年連続で増加し、粗利規模は横ばいもコロナ禍からは明確な回復基調となった。一方で、業界史上初めて20円パチスロの台数シェアが4円パチンコを上回るなど、パチスロは好調が続くも4円パチンコのアウトは過去最低を記録した。
総売上16.2兆円の内訳はパチンコが7.7兆円(前年比0.5兆円減)で、パチスロが8.5兆円(同1兆円増)。遊技機購入費用と遊技機利益では、遊技機購入費用が0.7兆円と減少、遊技機利益規模は1.84兆円と前年を上回った。
本書の概要を解説したMG推進部SISプロフェッショナルの片瀬宏之首席講師は市場規模を解説する中、「SISデータでは総粗利、総売上が増加しているのに(レジャー白書の)ファン人口が110万人減少したというデータに疑問を感じている。粗利規模こそが業を示す最重要数値で、我々は市場規模を粗利規模として捉えているため回復傾向は明確である」と、レジャー白書が推計するファン人口に疑問を呈した。
4円パチンコの業績は、アウトが過去最低の数値を記録した2023年を下回り、遊技時間粗利がさらに上昇した。アウトは10,720個(前年比190個減)、売上20,779円(同147円増)、粗利3,295円(同43円増)、遊技時間粗利1,490円(同50円増)と、遊技時間粗利は2023年から2024年にかけて1,440円から1,490円になるなど上昇に歯止めがかかっておらず、ファン離れが深刻な状況のまま推移している。
片瀬氏は、2025年上期の業績からも今後さらなるアウトの下落が見て取れると指摘した一方、「下期の7月から登場したLT3.0プラスには期待を寄せているところ。LT3.0プラスの活用次第では4円パチンコのアウトが回復する可能性もあり注視したい」と語った。
一方、20円パチスロの業績を見ると、アウトは8,616枚(前年比579枚増)、売上24,119円(同2,750円増)、粗利3,034円(同152円増)、遊技時間粗利810円(同10円減)と、2023年と比較してアウト・粗利ともに上昇。台数シェアに目を向けると、総遊技機内台数シェアは1.6%上昇して35.5%となり、業界史上初めて4円パチンコの台数シェア(33.1%)を上回った。
4円パチンコ・20円パチスロともに高出玉性能化が進む現状について、片瀬氏は「過去の例を見ても、コイン単価が2.8円を超えると市場全体のアウトが下落するという傾向がある。2025年は2.8円を超える可能性も十分あり、20円パチスロはバランスを考えた機種構成での営業が重要」と指南した。
DK-SIS白書は、同社製のホールコンピューターを通じて得られる全国ホールの営業数値をもとに、2024年のホール営業に関わる各種統計データ(DK-SISデータ)をまとめ書籍化したもの。DK-SISの会員数は3,227会員で、データ送信台数は140万台(いずれも2025年3月末時点)。市場全体の約42%をカバーしている。