第三のパチスロ ビビットBT! 日工組と日電協が「ボーナストリガー(BT)」の記者発表会
遊技通信2025年2月27日
日本遊技機工業組合(日工組、榎本善紀理事長)と日本電動式遊技機工業協同組合(日電協、小林友也理事長)は2月25日、東京・京橋の日工組会議室で「ボーナストリガー(BT)」の記者発表会を行った。
日工組から榎本理事長と盧昇副理事長、日電協から小林理事長、大泉秀治副理事長、高遠知弘技術副ワーキンググループ長が出席。昨年8月26日に記者発表した「新しい遊技性のパチスロ“ボーナストリガー(BT)”」の遊技性能等が発表できる環境が整ったことから、BT機で想定される遊技性などを紹介した。
冒頭に挨拶した榎本理事長は「パチスロの新たなジャンルとしてBT機をお披露目する。これを機会にファンが増え、右肩下がりの業界が下げ止まって明るい未来に繋がっていけば。一つのジャンルとして確立されるよう理解と協力をお願いしたい」。次いで小林理事長が「ホール数の減少、ユーザー数の減少により遊技業界は非常に厳しい状況。この状況を打破するためにはユーザーの離反を防止し、さらには新規ユーザーを獲得することが必須と考えている。そのため日工組と日電協は、多種多様なパチスロ機の提供に向けて数年前から行政に相談してきたが、昨年8月に解釈基準の改正となりBT機の実現が可能になった。BT機は昨年11月から型式試験申請を開始し、適合を受けた機種もある。開店日についてはスマスロ導入時と同様、多くのユーザーに遊んでいただくためにも数機種の同時開店とすることを考えている」と述べた。
発表会では、BT機の開発意図とポジショニングについて日電協の大泉副理事長が説明。パチスロ市場がAT機とノーマルタイプに大きく2分される中、AT機(MY約3,000枚〜)とノーマルタイプ(MY約1,500枚)の中間にあたるMY約2,000枚の区分を作っていくことが開発意図だとし、「パチンコではハイミドル、ライトミドル、甘デジ、羽根モノと多種多様なジャンルからプレイヤーが趣味趣向に合わせた価格帯やゲーム性を選んでいるが、BT機もAT機とノーマルタイプの間を埋めるエリアを占めていくだろうと思っている」とした。また、BT機の特徴について「リアルボーナスが高確率で抽選できる点と、3枚掛けと1枚または2枚掛けの2つの確率帯を組み合わせた遊技性が特徴。AT機とノーマルタイプのそれぞれの魅力を兼ね備えた新しい選択肢として、プレイヤーの幅広いニーズに応えられると考えている。今後BT機は遊技業界において重要な役割を担い、その成長に大きく寄与するものと期待している」と語った。
BT機で想定される遊技性については、高遠技術副WG長が次の5つのタイプを説明した。
①ループタイプ
BTボーナス当選でBTボーナスが継続するループタイプ。通常遊技3枚掛けで通常BB(払い出し156枚)、RB(同96枚)、BTボーナス(同100枚)とした仕様の場合、通常ボーナスとRBの終了後は3枚掛けの通常遊技に戻るが、BTボーナス終了後は1枚掛け遊技の高確状態に移行。高確時に通常ボーナス(BB、RB)とBTボーナスの抽選比率を1:1にすると、BTボーナスが50%でループする。このモデルでのBT突入時の期待値は平均318枚という設計になる。
②ノーマル+プレミアループタイプ
基本はノーマルタイプだが、BT突入を低確率にする高継続率ループボーナスタイプ。通常遊技3枚掛けで、通常BB(払い出し210枚)、RB(同104枚)、1日に1〜2回程度と低い当選確率のBTボーナス(同100枚)とした仕様の場合、ゲームフローは①と同様。高確時にBTボーナスと通常ボーナス(BB、RB)の抽選比率を85:15にするとBTボーナスは85%でループし、BT突入時の期待値は平均830枚という設計になる。
③引き戻しループタイプ
ボーナス当選で必ずBT突入し、引き戻しを実現するタイプ。通常遊技3枚掛けで、BB(払い出し170枚)、RB(同90枚)、小当り(終了役)とした仕様の場合、ボーナス(BB、RB)消化後に1枚掛け遊技の高確率状態に移行。BB、RB当選で再び1枚掛け遊技に移行し、小当り当選で3枚掛けの通常遊技に戻る。高確時にボーナス抽選比率を50%とすると引き戻し率は50%。BT突入の期待値は平均283枚という設計になる。
④ボーナス2回セットタイプ
2種類のボーナスを繋げることでノーマルタイプの払い出し枚数を超えるタイプ。通常遊技3枚掛けで、RB(払い出し108枚)当選では通常遊技3枚掛けに戻り、BTボーナス(1セット目となるボーナスで払い出し180枚)当選で1枚掛け遊技の高確率状態へ移行。高確時にはすぐに2セット目のボーナス(フリー図柄揃い、払い出し130〜170枚)に当選し、消化後に通常遊技3枚掛けに戻る。1セット目と2セット目のボーナスを合わせて払い出し枚数は310〜350枚。従来のノーマルタイプを超えた枚数で1つのBBとみせる仕様になる。
⑤ボーナス獲得枚数上乗せタイプ
複数のボーナスを繋げることでボーナス獲得枚数を上乗せするタイプ。通常遊技3枚掛けで、RB(払い出し108枚)当選で通常遊技3枚掛けに戻り、BTボーナス(初回ボーナス、払い出し110枚)当選で1枚掛け遊技の高確率状態へ移行。高確時は、上乗せボーナス(フリー図柄揃いで高確状態継続、払い出し110枚)、終了ボーナス(上乗せボーナスと異なるフリー図柄揃いで高確状態終了、払い出し110枚)の2つのボーナスを用意し、それぞれ50%の抽選確率にすると出玉期待値は平均330枚(110枚+110枚+110枚)。最少の場合、初回ボーナス110枚と終了ボーナス110枚の基本220枚となるが、1つのBBで獲得枚数が上乗せされているようにみせる仕様になる。
発表会の質疑応答では、BT機の登場時期および機種数について小林理事長が「同時期導入は今のところ2機種よりは3機種といった程度。できれば6月内をイメージしているがまだ確定ではない」とし、BT機によるユーザーの離反防止効果については「AT機は人気がある一方、遊び続けることができないファンの方もいると思う。そこでAT機とノーマルタイプの中間の位置付けになる遊技性が浸透すれば、遊技を長く続けていただけるのではないかと思う」。また、登場が予定されているBT機の筐体仕様(スマスロまたはメダル機)についても「先行メーカーはスマスロだが、各社の考え方でどの仕様になるかはわからない」と応答した。
なお、日電協では「第三のパチスロ ビビットBT!」をコミュニケーションワードとして、次のキービジュアルで「ボーナストリガー(BT)」の周知を広めていくとしている。
※ボーナス・トリガー(BT)導入に至る経緯や基本的な内容に関しては、次の「パチスロサミットONLINE 公式コラム」に記事掲載中。
https://www.pachislot-summit.com/column/20240827/