「DK-SIS白書2021年版」刊行記者発表会 売上規模も粗利規模も27%の大幅下落
遊技通信2021年7月12日
ダイコク電機は7月8日、「DK-SIS白書2021年版 -2020年データ-」のオンライン刊行記者発表会を開催。2020年の業界規模は前年比で27%下落し、集計開始以来最大の減少率だったと発表した。
発表会冒頭に大上誠一郎社長が挨拶し、「DK-SIS白書も創刊から18冊目となった。変化が激しい業界だからこそ、経営戦略上、過去のデータを参考にすることも重要だと考えている。今回の白書も、その都度ホール企業が適切な判断をする上で必ずお役に立てるものと確信している」と述べた。
今回刊行された「DK-SIS白書2021年版」によると、2020年の業界総売上は14.6兆円、業界総粗利2.35兆円。売上・粗利規模ともに前年比で27%の大幅下落となった。
概況説明にあたったDK-SIS室の片瀬宏之室長は「1日1台あたりの数値では20%程度の下落だったが、昨年4月と5月のコロナ休業が年間の市場規模に大きく影響し、前年比で昨年4月に約80%減、5月に約60%減。6月以降も約20〜30%減で推移している」と解説し、コロナ禍の特徴的な動きを後世に残すためにもSIS白書の特集記事を参考にするよう案内した。
まず4円パチンコの動向は、前年比でアウト20%減、粗利17%減。粗利は他の貸玉タイプやパチスロと比べて落ち幅が少なかったが、時間粗利の上昇によるもので「時間粗利が1,200円と前年比で50円も増えており、4円パチンコが好調な中でもファンに対してよくない風潮がみられる」と懸念を示した。SIS白書にある月間推移データをみても、昨年1月と2月、そして11月以降の粗利が20円パチスロより高かったことを挙げ、旧規則機撤去に伴うパチスロの業績悪化をパチンコの粗利で補填している現状を指摘した。
1円パチンコはアウト22%減、粗利20%減。4円パチンコより回復が遅く、メインの高齢層の戻りの悪さが影響しているという通説もあるが、「コロナ休業明けのアウトは意外に高く、その後徐々に悪化した。弊社の顔分析などの分析でもコロナ休業明けの常連ファンの戻りが早いというデータが出ていたが、実際は年配層のライトユーザーが来店していない状況がある。単純に年配層が戻らないと考えるのでなく、SIS白書の月間推移で客層の違いも理解してもらえれば」と説明した。
また、パチンコ機種全体で稼動貢献週が前年の6.1週から8.0週に上がった。「2020年は新台が長持ちして新台効果があったと捉えることができる。2021年もその流れが継続しており、ハイミドルを中心にどのタイプも上向いている」として、今後のパチンコに期待を窺わせた。
一方、20円パチスロはアウトも粗利も19%減。4円パチンコの下落率とほぼ同じにみえても「月間推移データで20円パチスロの12月のアウトは、コロナ休業明けで稼動がまだ悪かった6月よりも低い。時系列では11月の段階で4円パチンコと相当差がついている」として、2019年末からのパチスロの凋落が継続している状況を解説。登場機種のほとんどを占めるATタイプについても「2020年の20円ATの粗利2,770円でも、月間推移で12月は粗利1,995円しかない。AT全体の償却達成率も9.1%。稼動も粗利も平均を下回っている」とした。
また片瀬室長は概況解説に加え、新規則機入替に向けた機種選定などに役立つ「DK-SIS白書」の各種内容も紹介。新規則機設置台数比率の月間推移と新規則機の業績データを合わせて載せた内容は今後の入替選定の参考になるほか、新コンテンツの「8日間推移データ」は業績貢献する機種の早期判断の精度を上げる。
さらに、粗利規模に対する市場全体の遊技機購入費用と遊技機利益のデータ(SISデータから独自で概算)も紹介した。2020年の遊技機購入費用は0.55兆円。遊技機利益1.80兆円と大きく落ちたが、2021年は新規則機入替で粗利に対する遊技機購入比率がさらに上がっていくとした。
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