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【行政講話】余暇進秋季セミナーにおける警察庁生活安全局保安課 小坂田課長補佐による行政講話 遊技日本2025年11月11日

余暇進は、11月7日に開催した令和7年度秋季セミナーにおける警察庁生活安全局保安課 小坂田課長補佐による行政講話の内容を公表した。小坂田課長補佐はこのなかで、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策のほか、ぱちんこ営業の健全化の推進と業界全体のコンプライアンスの徹底という観点から見解を述べた。

以下、講話全文を掲載する。

–講話全文–

本日、一般社団法人余暇環境整備推進協議会の令和7年度秋季セミナーが開催されましたことを、心からお喜び申し上げます。また、業界の皆様方には、平素から警察行政の各般にわたり、深い御理解と御協力を賜っておりますことに対しまして、この場をお借りしてお礼申し上げます。

とりわけ、本年に入り、ギャンブル等依存症対策推進基本計画が変更されたほか、ギャンブル等依存症対策基本法が改正され、政府を挙げてオンラインカジノ対策に取り組んでいるところ、皆様方には、広報啓発等の各種取組を推進していただいておりますことに対しまして、感謝申し上げます。

引き続き、皆様方におかれましては、3年後を目処に予定されている次のギャンブル等依存症対策推進基本計画の変更に向けて、今回変更された基本計画に基づく各種取組等を着実に進めていただく必要があるところ、本日は、直接お話しさせていただくという貴重な機会を頂きましたので、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策のほか、ぱちんこ営業の健全化の推進と業界全体のコンプライアンスの徹底という観点から何点かお話しさせていただきます。

1点目は、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策に関し、基本計画の施策についてお願いしたいことについてお話しします。

まず、自己申告・家族申告プログラムの利用促進に向けた取組についてです。

同プログラムについては、業界全体が一丸となって利用促進に向けた取組を推進していただき、本年9月末現在で約6,400店舗で導入されているなど、その導入店舗数は着実に向上しているものと承知しております。

他方で、同プログラムの利用者数は伸び悩んでいる状況にあり、今後、同プログラムの実効性の確保といった観点から、いかに利用者数を増やしていくかといった点が今後の課題であると考えております。

また、利用促進に当たっては、遊技客だけではなく、直接店舗に来店しないその家族等に対して、どのようにアプローチして、利用促進につなげていくかといった点や、インターネットを利用した申請の仕組み作りを含め、デジタル技術をいかに活用するかといった点についても、積極的な検討をお願いいたします。

次に、業界の取組に係る第三者機関の活用についてです。

ぱちんこへののめり込み・依存防止対策について第三者の視点を取り入れることは、その実効性確保の観点から重要であります。これまでも、業界においては、パチンコ・パチスロ産業依存対策有識者会議による評価・提言を踏まえ、取組の改善を図ってきたものと承知しておりますが、引き続き、評価・提言を真摯に受け止め、積極的に対応していただくようお願いいたします。

また、一般社団法人遊技産業健全化推進機構による各店舗に対するのめり込み・依存防止対策の取組状況の点検・確認について、令和6年9月末までに全国全ての店舗に対する立入調査が実施され、既に本年9月末までに約20%のホールについては、2巡目の立入調査が行われております。1巡目の立入調査では、取組が不十分な項目があったホールに関し、2巡目の立入調査では、状況が改善されているホールが多い一方、依然として取組が不十分とされるホールがあることや、中には1巡目の立入調査では取組が十分であった項目が2巡目の立入調査では取組が不十分とされるホールもあることは、大変憂慮されるところです。

機構による実施状況報告書については、都道府県ごとにその取組の実施状況を詳細に分析し、業界等へ提供されることとなっており、これを活用し、取組が不十分な都道府県に対する働き掛けをしていくことが、業界全体の取組の底上げにつながるものと考えられます。引き続き、これらの第三者機関によるチェック機能も有効に活用しつつ、徹底したPDCAサイクルにより、ぱちんこへののめり込み・依存防止対策の計画的な推進をお願いいたします。

ギャンブル等の依存症問題については、大阪IRの開業を控え、社会的にも高い関心が集まっており、業界としての取組も注目されていることから、社会の目を意識しつつ、ぱちんこへののめり込み・依存で困っている方やその家族に寄り添えるよう、引き続き、各種取組の推進・改善をお願いいたします。

2点目は、業界の健全化に向けた自主的な取組の推進についてです。

皆様方には、業界の健全化に向けた様々な取組を自主的に進めていただいてきた中で、ここ数年、広告宣伝、賞品の提供方法及び貯玉・再プレーシステムに係るガイドラインを策定するとともに、その後も、補足文書やQ&Qの発出といった内容の拡充等に向けた取組を積極的に進められているものと承知しております。

とりわけ、広告宣伝ガイドラインについては、本年5月にも再改訂が行われたほか、策定以降、ガイドラインに違反した広告宣伝を行った事業者に対して各ホール団体から是正勧告を実施するなど、広告宣伝の健全化に向けた自主的な取組が進められていることについて、頼もしく感じております。

他方で、これは業界団体の努力にもかかわらず、逸脱行為に至った業者が一定数いるということでもあり、また、業界の是正勧告事例集等を拝見すると、繰り返し是正勧告を受けるなど、ガイドラインの趣旨を理解していないと思われる行為や、あえてガイドラインを潜脱していると思われる行為が横行している状況も見受けられます。

こうした状況が続けば、ガイドラインの内容を更に制約的なものとしなければならなくなるだけでなく、自主規制の仕組みそのものに疑念を抱かれることとなり、業界全体にとって大きなマイナスになることが懸念されます。

皆様方におかれましては、店舗の管理者だけでなく、従業員も含め、各種法令やガイドラインの趣旨について、改めて周知徹底していただくとともに、是正勧告に従わない店舗等があれば、看過することなく、厳正に対処していただきたいと考えております。

また、本年の通常国会で風営適正化法の一部改正法が成立し、いわゆるグループを形成して風俗営業を行う者に着目した不許可事由の追加等の規定が今月下旬に施行となるなど、警察では、風俗営業からの不適格者の排除に向けた取組を進めているところです。

現在、社会全体としてコンプライアンスを重視する風潮が高まる中で、ぱちんこ業界で各種法令やガイドラインが遵守されなくなるようなことがあれば、これまで皆様方がその向上に努められてきた業界の社会的地位や世間のイメージは簡単に転落してしまいます。逆に、業界全体の自主的な取組が機能することによって、その健全化が進み、ひいては業界の社会的地位や世間のイメージの向上にもつながるものと考えておりますので、引き続き、各種法令やガイドラインの周知徹底と遵守の促進も含め、業界の健全化に向けた自主的な取組を推進していただきますようお願いいたします

3点目は、ぱちんこ営業における不正防止対策についてです。

遊技機の不正改造事犯や賞品買取事犯については、近年も発生しているところ、これらの事犯は、型式試験による射幸性の適正管理を侵害する事犯であるほか、賭博との一線を画す上での根幹となる規制に違反する事犯であることから、警察としては、引き続き、これらの事犯には厳正に対処していく方針です。

皆様方におかれましては、機会があるごとに店舗の管理者や従業員に対する各種指導の徹底に努めていただき、業界全体を挙げて、これらの事犯の根絶に向けた取組を推進していただくことを期待しております。

この点、先ほどものめり込み・依存防止対策の文脈で申し上げた遊技産業健全化推進機構の活動は、業界の健全化に欠かせないものであります。機構の活動開始以来、立入検査店舗数は本年9月末までで約4万店舗、検査台数も約28万台となっており、精力的に活動を続けております。

警察としては、今後とも、機構と積極的に連携しつつ、不正改造事犯に対しては、厳正な取締り等を推進していくこととしているところ、機構はこのような点も含め様々な面で業界の健全化に貢献していることから、引き続き、業界全体で機構の活動への御協力・御支援をお願いいたします。

4点目は、遊技機の流通における業務の健全化についてです。

遊技機の流通過程において型式の同一性が担保されるよう、中古遊技機については、中古機流通制度に基づく取組が実施され、新台設置や部品交換については、「製造業者遊技機流通健全化要綱」等に基づく制度の定着が進む中、これまで大きな事案や問題が発生していないことは承知しております。その上で、昨今、スマート遊技機の流通増加に伴い、遊技環境が大きく変化する中において、その中古機移動も年々増加しているところ、今後、スマート遊技機の中古機移動が進めば、より一層、スマート遊技機に対する点検確認の重要性が増すものと考えております。

そのような中で、遊技機の部品を正規の部品以外に無承認で変更する事案等がいまだに発生しております。製造業者、販売業者等の遊技機の流通に携わる関係者の皆様方におかれましては、改めて適時適切な点検確認等を実施していただき、部品取りを含む不正な行為を防ぐとともに、型式の同一性が保たれていることをしっかりと担保していただくことが重要となります。特に、製造業者等が作成する「保証書」については、製造業者等が設置確認や点検確認を行うことを前提として、遊技機の型式の同一性を疎明する書類として認められているものであり、これらの確認や保証書の作成が不適切に行われることにより、遊技機の流通に関する制度が形骸化することがないように、ひいては型式試験による射幸性の適正管理が損なわれることがないように、遊技機の流通に携わる関係者の皆様方におかれましては、引き続き、不正防止に対する取組を継続していただくようお願いいたします。

最後に、業界の社会的地位の向上のための取組についてです。

業界においては、社会貢献活動の一環として、防災や災害発生時の対応に関する取組や、社会福祉施設への支援等に長年積極的に取り組まれているほか、昨今の災害級ともいえる猛暑に際しては、涼み処の提供等を推進されたものと承知しており、こうした地域に根ざし、地域の安全・安心に寄与する取組への御尽力に心から敬意を表します。こうした取組の地道な積み重ねは、業界の社会的地位や世間のイメージの向上に資するものでもあり、引き続きの取組を期待しております。

また、貴協議会では、遊技機部材のリサイクルに関して、業界をリードしてその理解促進に御尽力いただいているものと承知しております。こうした環境に配慮した取組もまた重要であると考えておりますので、継続した取組をお願いいたします。

以上、ぱちんこ営業の健全化の推進と業界全体のコンプライアンスの徹底という観点でお話しさせていただきました。

社会情勢の変化に伴う様々な課題に直面されている中で、引き続き、業界全体が一丸となり、各種課題の解消に取り組んでいただくことを期待しております。警察といたしましても、引き続き、皆様方としっかりとコミュニケーションを図り、業界の御意見や御要望に真摯に耳を傾けながら、こうした課題の解消に向けた業界の取組をしっかりと支援してまいりたいと考えております。

結びに、貴協議会のますますの御発展と皆様方の御健勝・御多幸を祈念して、私の話を終わります。

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