日遊協が通常総会、西村会長「今こそ業界の構造改革を進める時」
遊技日本2025年6月10日
日遊協は6月9日、都内新宿区のホテルハイアットリージェンシーにて第36回通常総会を開催。総会は会員数255社のうち、出席89社、委任状出席118社の計207社で有効に成立。議案審議では、令和6年度事業報告や役員選任に関する件など全3議案が上程され、すべて原案通り可決承認された。
総会冒頭、西村拓郎会長は会長就任から丸5年が経過したとし、「振り返ると、なんとなくではあるが業界が一体となってやってこれた印象がある。団体間の分断や対話のなさ、行政からの不信感もずいぶんなくなり、業界自体に団結や一体感が芽生えてきたと思う。日遊協は横断的組織でホール・メーカー・販社それぞれの立場はあるものの、同じ船に乗っているのだから同じ方向へ向かおう、という気運がでてきた」と回顧した。
一方で、「これまで業界は疲弊し続け、コロナ禍には1年間に約600店舗、昨年は377店舗減少、今年はまだ上半期だけではあるが109店舗の減少と歯止めがかかったとは言えない状況」と危機感を示し、「今こそ、我々は自らしっかりと襟を正す必要がある。そして雇用の創出をし、納税もし、国民生活にも根付いた立派な産業であるということをしっかり国民へ向けてピーアールしていかなければならない。我々の業界は縮小傾向を辿り、参加人口も年間100万人程度がパチンコ離れをしている。少子化も進み昨年の出生は70万人を切ったという状況下ではあるが、手をこまねいているわけにはいかない。我々も頭を切り替えてインバウンド需要への対応や少子化対策など、様々な仕組みを変えていく必要がある。遊技機代金についても、高すぎるとメーカーに文句を言うだけでは解決しない。例えば保通協ではこんな厳格な検査は今後も必要なのか、簡素化できないのか、遊技機入替もペーパーレス化できないのか、など進めるべき課題はたくさんある。こうした全体的な構造改革やコストカットを含め、各団体とも協議をしながら今後も活動を継続していきたい」と決意を語った。
続く議案審議では、令和6年度事業報告など全3議案が上程され、すべて原案通り可決承認された。議事の第3号議案では、5名の理事退任に伴う役員増員として阿施浩行氏、新井宏明氏、東野昌一氏、平井興宣氏の4名の理事が新たに選出された。
議案審議終了後には退任した秋田光勇前理事、知念安光前理事に西村会長から花束が贈呈された。挨拶に立った秋田前理事は「今まで自工会の代表としての立場で日遊協の理事に参加させていただいていたが、自工会・メダル工業会・補給組合の設備3団体を一つに統合することが決まり、自工会としては解散となるので、退任させていただくこととなった。もちろん業界を離れるわけではないので、この業界に身をおく者として今後も微力ながら皆様とともに業界のために精進して参りたい」と話した。
行政講話では、警察庁保安課の永山貴大課長が登壇。各種ガイドラインの適正運用の他、のめり込み・依存問題対策、不正防止対策の3点を要請し、特に依存対策においては、自己申告・家族申告プログラムは今後も利用拡大、店舗間の適切な情報共有など実効性の確保が一層重要になると指摘した。また、広域的な社会貢献活動を改めて評価し、業界の社会的地位向上に資するものとして今度も継続的な取り組みを推進するよう求めた。
全日本遊技産業政治連盟による活動報告を挟み、多くの関係者が参列した懇親会には全日本遊技産業政治連盟の阿部やすひさ元会長、加盟団体の小林友也理事長(日電協)が来賓。乾杯の発声は中村昌勇会長(全商協)が行い、懇親会は盛大に執り行われた。