PAAが依存問題勉強会~スマートPLAYスタイルと多様な支援の重要性~
遊技日本2025年6月3日
一般社団法人ぱちんこ広告協議会(PAA)は、ギャンブル等依存症問題啓発週間中の5月20日、東京・高田馬場のBSホールで「依存問題勉強会」をオンラインとハイブリッド形式で開催した。諏訪東京理科大学の篠原菊紀特任教授と、特定非営利活動法人東京都自閉症協会の尾崎ミオ副理事長を講師に迎え、PAA会員と全日本学生遊技連盟(学遊連)所属の学生ら45名が参加し、依存問題への理解を深めた。
「スマートPLAYスタイル」で健全な遊びを提唱
勉強会ではまず、篠原教授が登壇し、ギャンブル等依存症の予防を目指す「スマートPLAYスタイル」の重要性を強調した。研究データに基づき、スマートPLAYスタイルが認知機能の維持・向上にも効果があることを説明。パチンコを健全な余暇活動として楽しむために、個々人が上限金額の設定、時間管理、そして家族や周囲への相談という3つのポイントを守ることが重要だと述べた。
多様性を尊重した「遊び」の支援
続いて登壇した尾崎副理事長は、発達障害や自閉スペクトラム症を抱える若者たちのピアサポートを行う「みつけばハウス」の運営経験から得た知見を共有した。生きづらさを抱える若者が社会と融合するための解決策として、個人の興味や好奇心を育む支援の重要性を解説。コミュニケーションの訓練を強いるのではなく、自然な形での交流を重視する姿勢を推奨した。また、「みんなちがって、みんないい」という理念のもと、多様性を尊重した安心できる場づくりに尽力していることを紹介し、行動や思考を予防的に抑制するのではなく、多様性の枠組みを広げ、「遊ぶこと」が人生に与える良い影響を多くの人が理解することの重要性を訴えた。
無駄なことや遊びの要素が不可欠
勉強会の後半では、篠原教授と尾崎副理事長に加え、PAA依存問題PTの大石大氏とファンメディア・パチ7のハニートラップ梅木氏が加わり、学生を含む参加者からの質問に答えた。「遊びを活用した施設を運用したきっかけは?」という問いに対し、尾崎副理事長は試行錯誤の結果、無駄なことや遊びの要素が不可欠であること、そして「人生が幸せ」と感じられるようになることが支援のポイントであると語った。篠原教授からは、自分自身が作る幸せに対する評価指標の提案もなされ、遊びと幸せの関係性について議論が交わされた。
今回の勉強会は、パチンコ業界が依存問題に対し積極的に取り組む姿勢を示すとともに、多角的な視点から問題解決への糸口を探る貴重な機会となった。PAAの岡林理事長は冒頭の挨拶で、「この勉強会が新たな学びの機会となり、得られた知見をそれぞれ会社や学校、周りの方々にお伝えいただければ幸いです」と述べ、啓発活動の波及効果に期待を寄せた。