学生も参加した依存問題勉強会を開催|PAA
アミューズメントジャパン2025年5月23日
一般社団法人ぱちんこ広告協議会(PAA)はギャンブル等依存問題啓発週間期間中の5月20日、BSホール(東京都豊島区)で依存問題勉強会を開催した。
オンラインとのハイブリッドで開催された勉強会には、組合員のほか学遊連所属の学生も参加。PAA依存問題PTの大石大氏とパチ7のハニートラップ梅木氏が司会を務めた。
勉強会冒頭の挨拶で岡林克彦理事長は「パチンコ業界内外の有識者のお話を聞き、新たな学びを得て、みなさまの周りの方々に依存問題についての正しい知識を伝えていってほしい」と話した。
勉強会では公立諏訪東京理科大学の篠原菊紀教授が登壇。「スマートPLAYスタイルのすすめ」というテーマで講演した。篠原教授は、趣味を楽しむ余暇活動はお金を消費するだけの無駄な活動ではないと説き、「特にパチンコ・パチスロは頭を使う余暇活動。ドーパミン分泌を伴う楽しさが頭の働きの低下予防や認知種の予防に役立つ可能性がある」と話す。
続けて、世界保健機構(WHO)が定める「ギャンブル障害」と「危険なパチンコ・パチスロの遊び方」の違いを示し、「『ギャンブル障害』以前の問題であれば、遊び方のコントロールが大切」とし、「使う上限を決めて遊ぶ」、「時間に余裕のあるときに遊ぶ」、「家族や周囲に隠さずオープンに遊ぶ」という、「業界で推進しているスマートPLAYスタイルを守ることが“いわゆる依存の疑い”の予防に役立つ」と語る。また「スマートPLAYスタイルを守っている人ほど、頭の働きが高く保てる可能性がある」と解説した。
続いて登壇したのは、現在は知的障がいのない自閉症の人や発達障がいを抱える人の支援を行っている、東京都自閉症協会副理事長であり、世田谷区受託事業みつけばハウスの尾崎ミオ代表。尾崎氏は、自身が発達障がいの特性を持っており、世の中に馴染めず、“普通の人の、普通の生活ができない”という経験や、同じ境遇を持つ人々と接してきた経験から、「『ちょっと変わった人たち』が排除されたり、孤立したり、生きづらさを抱える現状がある」と話す。
そうした人々が“普通の人の普通の生活”をしようとしたり、それを周囲の人間に強いられることを「フツウになれの呪い」と呼び、それを解くのが遊びを通じた支援であると解説。尾崎氏は「無駄だと思われている遊びが実は大切。人とのコミュニケーションが苦手な人が遊びを通じて、人と関わることの楽しさを感じることができれば、本人にとってすごく気持ちが楽になる。自分の好きなことをして生きていくことの大切さを伝えていきたい」と遊びを通じた支援の重要さを語った。
文=アミューズメントジャパン編集部