大阪府遊協が歳末防犯懇談会、行政担当官がサイバーセキュリティ攻撃の手口と対策を説明
遊技日本2024年12月3日
大阪府遊協は12月2日、大阪市内のシェラトン都ホテル大阪において令和6年度の歳末防犯懇談会ならびに定例理事会を開催。来賓として大阪府警察本部生活安全部より小林洋一部長、同保安課の平山信幸課長、林秀行課長補佐が出席した。
歳末防犯懇親会の冒頭、来賓講話に立った大阪府警察本部生活安全部の小林洋一部長は「大遊協がこれまで社会貢献の一環として取り組む今年で9年目となる青色防犯パトロール車両の寄贈事業は本年も5台が寄贈され、吉村洋文知事から感謝状を受け取られたと聞いている。このような社会貢献活動の継続に、まずは敬意を表したい」と述べた上で、「現在、大阪府警では歳末警戒を実施している。特に歳末警戒の重点としている特殊詐欺は、令和5年の認知件数は2,600件と前年より600件増加し過去最多、その被害総額は約48億円と深刻な状況だ。首都圏では闇バイトを募集しての連続強盗事件も多数発生している。皆様におかれては、引き続き犯罪抑止に向けた啓発活動にご協力をお願いしたい」と話した。
一方で業界へ向けては2点言及した。「1点目は遊技機への不正改造事犯の絶無について。釘曲げなど不正改造事犯は無承認変更となり、取締りの対象となるだけでなくお客様に対する背信行為でもある。遊技産業健全化推進機構の立入検査なども含め、機構の活動に協力、支援をお願いしたい。2点目は各種ガイドライン等に基づいた健全営業の推進について。広告宣伝ガイドライン・賞品の提供方法に関するガイドライン・貯玉再プレーに関するガイドラインが相次いで策定されたと承知しているが、全国的に見ると、広告宣伝ガイドラインに反するとして組合から是正勧告を受けても従わず、繰り返すホールもあるようだと聞く。各種ガイドラインの趣旨を理解し適切に運用いただきたい」と述べた。
続いて挨拶に立った平川容志理事長は「大遊協としては、組合活動の大きな柱として社会貢献活動、特に福祉事業活動と防犯事業活動を主体に実施している。防犯事業活動では青色防犯パトロール車両の継続的な寄贈の他、犯罪の抑止に向けた啓発活動として特殊詐欺被害防止対策に協力すべく、標語を印刷したパインあめやうちわを作成し府下で配布した。福祉事業活動では青年部会が中心となり未来っ子カーニバルを開催している。38回目となる今年は遊技産業関連15団体の協力をいただき、12月15日に東和薬品ラクタブドームにて35児童養護施設など約1,800人を招待し、約200人のボランティアにも参加いただき開催する予定だ」と大遊協の取り組みを説明。
続いて「一方、遊技業界全体として取り組んでいる施策は2点ある。1点目はのめり込み・依存防止対策の推進について。ギャンブル等依存症対策推進関係者会議においては議論の中心がパチンコ・パチスロから、コロナ禍を背景に公営競技へのオンライン投票における依存対策や、違法オンラインカジノ対策へ議論の方向性が変化していると聞く。しかし、遊技業界としても依存防止対策は欠かすことのできない問題であり、2030年の大阪IRへの開業に向けて今後ギャンブル依存に社会の関心が高まると、業界に対するバッシングにも繋がりかねないと危惧される。大遊協では全てのホールにおいて自己申告・家族申告プログラムを導入し、安心パチンコ・パチスロアドバイザーに対する講習会も定期的に開催している。リカバリーサポートネットワークとも協力し、組織を上げて取り組んで参る所存だ。2点目は各種ガイドラインの適切な運用について。昨年2月の広告宣伝ガイドラインに加え、本年5月に賞品の提供方法に関するガイドライン、本年9月には貯玉再プレーシステムに関するガイドラインが制定された。相次いでガイドラインが策定された背景は、これまでの業界の自主的な取り組みが行政に正しく評価していただけた証だ。今後もガイドラインが制定された趣旨を理解し、適切に運用していく必要がある」と業界全体としての課題も述べた。
その後行われた定例理事会は、定数48名のうち会場出席28名、委任状16名の計44名で成立。各委員会、青年部会などから各種活動報告がなされた。12月15日に東和薬品ラクタブドームにて行われる「第38回未来っ子カーニバル」開催について説明があった他、貯玉・再プレー手数料登録フォームへの未登録ホールへ登録を呼びかけた。
続く講演会では、大阪府警察本部警務部高度情報推進局 サイバーセキュリティ対策課管理官の鎌田輝明警視が登壇。「昨今のサイバー空間における犯罪情勢と対策について」との演題で講演し、企業に対するサイバー攻撃の手口や対策、ランサムウェアによる身代金要求の手口や対策、さらには従業員や家族のスマホ・パソコン使用時の注意点や対策についても説明した。
終了後には懇親会も盛大に開催された。