余暇進6月度部会 講演「景気・倒産の現状と見通し」~スマート遊技機・新紙幣対応が重荷に
遊技日本2024年6月21日
余暇進(佐藤正夫代表理事・会長)は6月11日、東京文化会館およびオンラインにて令和6年6月度の理事会・部会を開催した。約130名が参加した今回の部会では、第一部では信用調査会社の帝国データバンクから講師を招き「景気・倒産の現状と見通し」と題した講演を聴いたほか、第二部では今年5月20日にホール関係4団体が制定した「パチンコ・パチスロ店営業における賞品の提供方法に関するガイドライン」について説明を行った。
第一部の帝国データバンク情報統括部情報取材課の森山玄将氏による講演では、賃上げに関する調査結果を用いて2024年中に賃上げを行う企業が過去最高となっていることの報告があり、賃上げを行う企業の規模によって賃上げ幅に格差が見られることや賃上げを実施する理由についても企業規模による相違がある点が紹介された。また賃上げの背景には物価の高騰が強く関係しており、物品・サービスへの価格転嫁がスムーズにできている業種、値上げしても物価高に追いついて行けていない業種、事業規模による格差など詳細が伝えられた。このほか賃上げが出来ていない企業の消費者(従業員)の消費動向では娯楽費や通信費が削減される傾向にあるとも話があった。
同社の景況感調査(DI調査)から足元の景況感に対する見通しは悪く、特に今後はコロナ禍による特別融資の返済が本格的に始まっていくことから廃業や倒産が懸念される企業が一定数出て来るといった予測があり、ホール業界については「2024年はスマート遊技機の導入や新紙幣対応による設備投資負担が重荷となるだろう。設備投資ができず廃業する店舗も出て来るかもしれない」との懸念材料を示した。
第二部「パチンコ・パチスロ店営業における賞品の提供方法に関するガイドライン」では、同ガイドライン制定までの経緯や賞品の取り揃えに関する法令の確認、ガイドラインの各項目に記載されている内容について事務局から説明を行った。