ホール運営のDXおよび業務の効率化・省力化を提案 北電子×グローリーナスカ合同展示会「INNOVATIVE SMART SOLUTION FAIR 2024」
遊技通信2024年2月29日
北電子とグローリーナスカは2月20日から29日まで、オンライン合同展示会&セミナー「INNOVATIVE SMART SOLUTION FAIR 2024」を開催。バーチャル展示会場とセミナーブースを設け、ホール運営のDXおよび業務の効率化・省力化を提案した。
■ 2社協働の製品展示
「遊動」「アクティブ連携」は、北電子のホールコンピュータ『VORFORCE』シリーズ、グローリーナスカの会員管理システム『P・BANK EXSIM』およびICカードシステム『G8 EXSIM』の連携による機能だが、このうち「遊動」は、台目線だけでなく顧客目線の分析ができるほか、機種相関の可視化により機種レイアウトに役立つデータも提供する。
今回の展示会では「遊動」の算出数値をさらに有効活用できる「セルフジャッジ」「機種カルテ」の2つの新機能を披露した。
「セルフジャッジ」は、アウトや粗利を含め、遊動データからも重要な指標を最大6項目まで指定でき、複数の指標をまとめて自動でジャッジする機能。機種の総合評価をスコア化することで、増台・減台・撤去台の選定判断やバラエティ管理を強力にサポートする。
また「機種カルテ」は、機種ごとに掘り下げた分析で導入後の状況や結果を多角的に診断し、遊動データを含めて1画面に集約する機能。現在の状況を確実に把握することで、その機種に適した計画的・戦略的な運用を実現する。
■北電子の製品展示
統括管理システム『VORFORCE NEO』シリーズ、クラウドサービス『Kitac Cloud』をはじめ、液晶ランプ『jugpop』、データ表示器『jugnavi Ⅳ』などの製品を展示した。なかでも『VORFORCE NEO』のホールコンピュータ機能では、新たに「仮想稼働シミュレーション」を搭載。より実動に近いシミュレーション結果(VS値)で初動の運用を強力にバックアップする。
また、クラウドサービス『Kitac Cloud』も新サービス「Leadex」が登場。全国・商圏・チェーン店・自店のデータを組み合わせることで店舗運営を効率的にサポートする。
■ グローリーナスカの製品展示
消費電力を追求したスマート機専用ユニット『G8 EXSIM』、骨格認識システム(通過人数、年齢性別推定、滞留検知、侵入検知)を搭載した来店者検知システム『フェイスコープ』、省人化と業務効率向上を可能にする『セルフPOSシステム』など幅広い製品を出展した。
セルフPOSシステムのセルフPOS端末機『SJA-100』は、ワンタッチ簡単操作で来店客の賞品交換をサポート。交換業務を大幅に削減できるほか、賞品保管機『JK-500』との併用によってさらなる省力化が図れる。
また、ファン向け製品では、効率的な集客と自店ファンの見える化ができてPUSH通知も完全無料のスマホ集客アプリ「パチPICKS」、遊技設備とアプリ(パチPICKS)の連携で来店分析が行える「PAPIMO-ring」も展示した。
■ 北電子・グローリーナスカ合同セミナー
「全国遊動データの比較分析による機種運用」と「思い込みにとらわれない新台評価」を提案
グローリーナスカのセミナーでは、エヴァシリーズの新作「シン・エヴァンゲリオン Typeレイ」と前作「エヴァ15」について、「遊動」データによる比較分析を紹介。遊動データのうち「勝ち平均(出玉性能を表す)」「遊動アウト(1人あたりのアウトで満足度を表す)」「機種相関(機種同士の移動相関を表す)」を用いながら、今後のエヴァシリーズの使い方について講演した。
新作と前作の「勝ち平均」はほぼ同じでも、新作は玉単価が若干高く、勝ち率が低い傾向がみられるため、新作は前作と異なる運用方法を考える必要があるとした。新作の登場による前作への影響をみても、1円パチンコで前作の台粗利が高い傾向があるため、1円パチンコに前作を増台する必要性を促した。
また、遊技客属性のデータでは、新作は客層が比較的に若く、前作は4円パチンコ平均とほぼ同じデータになっているとして、自店の客層に応じて台数配分を考慮する必要があるとした。さらに新作の機種相関では、エヴァシリーズ同士の相関が強く、次点でリゼロという傾向がみられるため、シリーズ機をまとめて配置し、周辺にリゼロを配置するという機種レイアウトを推奨した。
北電子のセミナーでは、昨年発表の同社製パチスロ「回胴式遊技機グランベルム」を題材にしながら、思い込みにとらわれない新台評価のための多角的なデータチェックの重要性について講演した。
同機種は初動こそ低かったものの稼働減少率が低く、結果として長期貢献したが、適切な新台評価ができていれば可能性をいち早く見出せたとして、ホールコンピュータ『VORFORCE』シリーズに搭載された新指標「遊滞」(店舗貢献度の高いVIPプレイヤーの人数や動向を数値化した指標)を紹介。この新指標の活用によって中古機導入の判断など、理想的なタイミングで機種評価ができるとした。
「遊滞」データの活用についても、『VORFORCE』シリーズの新機能「セルフジャッジ」で機種の優劣を相対的に判断でき、そこから抽出した機種の詳細データを1画面に凝縮した「機種カルテ」でチェックできるとして、データをもとにした素早く適切な新台評価の手法について具体的な事例を挙げながら解説した。