G2E Asia 2023 再びシンガポールで開催
アミューズメントジャパン2023年6月2日
カジノ・エンターテインメント産業のアジア地域における最大規模のカンファレンス&見本市「G2E Asia」が5月30日から6月1日まで、シンガポールで開催された。
文=田中剛/text by Tsuyoshi Tanaka
「G2E Asia」は例年マカオで開催されてきたイベントだが、新型コロナウイルス感染症パンデミックのため開催は中止され、2022年に会場をシンガポールに移して「特別版」が開催された。そして今年は、ゲーミング領域に特化した「Global Gaming Expo Asia (G2E Asia) 2023 Special Edition: Singapore」が再びシンガポールで開催、ノンゲーミング領域に特化した「Asian IR Expo + G2E Asia 2023」がマカオで7月に開催されることとなった。
サンズ・エキスポ&コンベンションセンター(MBS内)の約2万平米を使った会場には、100社以上の製造業者やサプライヤーなどさまざまな企業がブースを出展。約6000人のビジターが、最新の市場動向を捉え新たなビジネス機会を探索するために、ブースを訪れたり、別会場で開催されたカンファレンス、ネットワーキング・ミーティングに参加した。
展示会場の第一印象は、昨年と比較してスロットマシン・メーカーとETG(電子テーブルゲーム)メーカーの出展が多く、明らかにハードウェアが展示されているスペースの割合が増えたことだ。昨年は出展を見合わせたスロットマシン大手のIGT、Aristocrat Leisureのほか、Novomatic、Ainsworthも参加。KONAMI AUSTRALIA、JUMBO Technology(尊博科技)は昨年に引き続き大きなスペースを確保した。
複数の企業がロボット・ディーラーを展示したのも昨年との違いだ。昨年はアルメニアのオンラインカジノ・プロバイダーであるCreedRoomzが自社のストリーミング用スタジオで稼働しているロボット・アームを展示したが、同社は今回はそれを展示しなかった。その代わりに、台湾のBingotimes Digital Technology(天下數位科技)、Boller Technology(名豊電子)、中国のShanghai Bingo & Lottoがそれぞれロボット・アームを展示した。
その中でもBingotimesは、バカラ用、ルーレット用、大小用のロボット3機種を展示。これらはすでにフィリピン・マニラのカジノ「Winford Manila Resort & Casino」で稼働しているという。
日本からは、スロットマシンメーカーのKONAMI(厳密にいえば出展したのはオーストラリア法人)、セガサミークリエイションのほか、テーブルゲーム周辺機器のマツイゲーミング、ANGELなどが出展していた。
ETGで気になったのは特にアジア地域のゲームセンターでもカジノでも人気の高い、大型画面のテーブル型フィッシングゲームを見かけなかったことだ。その代わりに、7人が同時プレイできる、大型タッチスクリーンのテーブル型シックボー(大小)を初めて見た。これはスウェーデンのTangiamo Touch technologyで、プレイヤーはタッチスクリーン上にチップを賭ける際にもう一方の手の指を手元の金属製ボタンに触れる。機器は、感知した静電気によって各プレイヤーを識別する。