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パチスロ証紙発給は前年比85.8%増の49.4万枚/日電協 遊技日本2022年6月14日

日電協は6月10日、第42回通常総会を開催し、役員改選で理事・事務局長だった鶴見雅男氏が常務理事に、参与だった岩堀和男氏が理事に、それぞれ就任した。総会後の記者会見では、令和4年度(令和4年4月1日~令和5年3月31日)の事業方針や令和3年度の証紙発給枚数などを報告した。

令和4年度の事業方針では、遊技産業を取り巻く状況に適応した遊技機の開発と環境整備として、スマートパチスロの導入・普及に向けた施策の展開、自主規制の運用をスマートパチスロとメダル機(現行機)の各々に厳格化する、規則改正に向けたコンセンサスの醸成、依存問題に対する取組みの強化等を掲げた。

この中で規則改正に向けたコンセンサスの醸成については、ファンのニーズにあった魅力あるパチスロ機の開発、低コストのパチスロ機の開発・製造が可能となる環境を構築するため、現状の課題等の整理を行うとともに、関係団体と連携して、行政へ提案する規則改正の骨子の作成を推進するとした。

健全化・セキュリティ対策の推進では、スマートパチスロの特長を踏まえた不正改造ゴト事案対策の検討、新台流通過程における不正改造ゴトの撲滅とリサイクルの推進、旧規則機の撤去に伴う闇スロへの流通防止ならびにファンに向けた闇スロ遊技防止のための広報活動を行う。

啓蒙活動では、メダル6.5号機およびスマートパチスロ普及のため、新機種販売および稼働を支援するための動画配信やメーカーとホール、ファンを結ぶためのプラットフォームの構築、日電協CSR憲章に基づく継続性・発展性・独自性の高い価値ある社会貢献活動に積極的に取り組んでいくとした。

また、加盟メーカーにおける新台パチスロ機の出荷台数を示す証紙発給枚数は、前年度比85.8%増の49万4,009枚と大幅に増加したことが明らかにされた。

総会後の記者会見では、兼次理事長が経過措置延長の最終年度だったこの一年を振り返り、「最初の頃はホールさんも旧規則の遊技機を大事に使われて、計画的な撤去ということで非常に苦労しましたが、終わってみれば無事に終了したということでひと安心ということになりました。その間に遊技機、とくにパチンコに比べて遅れていたパチスロにつきましても、行政へのいろいろな要望、相談がようやくご理解いただき、自主規制の見直しの範疇ですが、そこそこゲーム性の向上が期待できるスペックをお許しいただけましたので、ここから4,000ゲーム機、さらには秋以降のスマスロへとつなげて、ホールさんにとってはパチンコの片肺飛行の状況ですので、パチスロも遅ればせながら、今年の後半に向けて追う形ができるようになると思っております」と挨拶した。

質疑応答では、今年の11月に登場予定のスマートパチスロの供給台数について、スマートパチスロはユニットが必須となることから、ユニットの供給台数が最大供給台数になるとしたうえで、「ユニットの供給量はまだ流動的ですが、本年の11月から来年3月ごろまでに10万台以上15万台未満という範囲で供給されると思いますので、スマスロはその範囲しか初期は販売できないというところです」と述べた。具体的な機種については、5月末時点で日電協、日工組、合わせて5~6社がスマスロの型式申請をしており、最終的にスタートの時点で、「確定ではないものの10社前後あればいい方ではないか。状況によっては8社8機種かもしれません」と見通しを語った。

また、スマート遊技機における「遊技機情報センタ」の運用形態について、兼続理事長に代わって岩堀理事は、「日電協では日工組と同じ形で情報管理規定を作り、厳重に管理をするという形になるかと思います。その情報の目的は大きくは2つあります。1つは依存症対策の観点から過度の射幸性を抑えるということに使用するというものです。もう1つは不正改造の防止のためにこのデータを使うということです」と情報管理と監視体制について説明した。不正データの発見時の対応については、「もし不正の恐れのあるデータを発見した場合には、自動でアラームが鳴るような仕組みになっており、アラームが鳴った際にはゴト師による不正行為と不正改造を発見するために、当該ホールへ検査に行くというような形で対応をしていくことを検討しています」として、今後、規約化、規定化していくとした。

スマートパチスロ周知のために業界向けおよびファン向けイベントの開催については、7月19日に51都府県方面の全ての組合長など約300人を東京会場(東京ドームホテル)に、約1万人の店長などをリモートで招待して、ホールの実務者向けの説明を行う予定だとした。一方、ファン向けのイベントについては、今のところ具体的な計画はないが、各社の遊技機が出揃ったところで、イベントの開催を検討していきたいと述べた。

6月から市場導入が始まった6.5号機については、「6.5号機はいわゆる4,000G機の差枚数管理の遊技機ですが、現在まだ2機種しか導入されておりません。2機種で約5,000台程度ではないかと思っております。一方で20程度の型式の適合を受けておりますので、今後はパチスロ140万台のうち、Aタイプ、30φを除いて約100万台のAT機が対象となるだろうと思っております。4,000G機も従来の6号機に比べるとかなりのゲーム性の向上が見られますので、十分、戦力になると思います。それとスマスロにつきましても、ユニットとのセット使うものですので、一朝一夕にスマスロに変わるということではなく、スマスロの普及と併せて4000G機は併売されていくと思います」と現在の販売状況と今後の供給見通しを語った他、「スペックだけのご説明で言えば、ファンのやめ時がわかる有利区間の報知がなくなりますし、2,400枚が差枚数管理になりますから、必ずいい結果が出るはずだと思っております。1機種(=Sキャッツ・アイ)はまだ導入して数日ですが、SISデータを見ますと17,000から18,000枚稼働と上から2番目の稼働を示しています。2、3日では遊技機の評価は語れませんが、順当な動きはしています。これからいろいろなゲーム性を凝らした機械が今月末から来月にかけ入っていくと思いますので、必ずやホール様に評価いただけると思っています」と6.5号機に自信をにじませた。

その後のスマートパチスロについては、ホールは専用ユニット、HC-BOXなどの設備投資が必要になることから、費用面の心配がある。また、「ユニットの供給台数が少ない中、ユニットを公平に販売してくれるのか」など様々な要望があることから、「真摯に対応し、安心して導入いただけるような形を取らせていただきたい」と述べた。

 

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