回胴遊商、中古機流通問題で方針説明
2003年6月27日
回胴式遊技機商業協同組合(篠崎好智理事長)は6月25日、東京・上野の同組会議室で記者会見を開き、懸案の中古パチンコ機流通システムの同組開放問題や、同システムの中古パチスロ機準用の実現に向けた取り組み状況を報告した。
まず中古パチンコ機流通システム開放問題では、9月中旬までにはひとつのメドをたてたい考えが明らかにされ、システムへの参加基準を回胴遊商独自に作成、そのハードルをクリアした組合員をリストアップし、同組を含む業界6団体(全日遊連、日遊協、日工組、日電協、全商協、回胴遊商)からなる中古機流通協議会および同協議会からシステムの運用を委嘱されている全商協にそのリストを提出したい方針が示された。参加基準についてはシステムの適正運用が求められるため、かなり厳格化される見通しだが、具体的な内容については同日は触れられなかった。
一方、同システムの中古パチスロ機準用問題では、前述の開放問題「終結後」に取り組む考えが示された。この問題は、現在行われている中古パチンコ機の流通方式を中古パチスロ機にも準用してほしいとする回胴遊商ならびにパーラー側の強い要望から浮上しているもの。この方式はメーカーが発行する「保証書」の交付を待たずに中古機が動かせることから円滑な流通を実現するものだが、その準用の前提にあるのがセキュリティの担保だ。
中古パチンコ機の場合、現行では「かしめ基板」の採用が前提条件になっている。かしめ基板を販社サイドが目視点検し、その上で作成する「点検確認書」をセキュリティ担保に動いているのが現状だ。
そこでパチスロ機でも現在、日電協を中心に「セーフティロック」(パチンコのかしめ基板に相当)のセキュリティ強化に向けた見直しが検討されているが、回胴遊商ではそれと並行して日電協で構築している「日電協セキュリティ総合管理システム」もこの担保策に新たに追加したい考えで、日電協と協議に入っていることが明らかにされた。
この総合管理システムは、一部ですでに採用がはじまっている新チップ(『IDNAC101』と『V4』)に付与された固有IDを活用し、チップの焼き付け時(マスターチップから量産チップへのコピー時)や出荷時にこの固有IDを登録、機歴管理に関するデータベース化を目的とするもの。回胴遊商では不正機対策の一環として今年1月1日から「確認シール」の筐体前面貼付事業を実施しているが、これを総合管理システムに連動させることで中古パチスロ機の一層の機歴管理徹底を図り、中古パチンコ並の中古機流通を実現したい意向だ。
またそれ以外の担保策として同日は、メーカー側が所有している検査チェッカーによる「検査」実施についても言及された。これは中古移動をする際に、最寄りのメーカー営業所ならびに出張所に回胴遊商組合員が当該パチスロ機を持ち込み検査を受けるというものだ。
なお、かしめ強化に関連してパチンコ機についてもパチスロ機同様、“本体封印”の必要性が指摘されていることが明らかにされ、8月までには何らかの解答が出るのではないか、との見方が示された。