変わるぱちんこ、2025年「時間革命」を起こせるか?
アミューズメントジャパン2025年1月17日
2025年、ぱちんこ業界は新たな局面を迎えている。従来の「時間消費型」遊技に加え、「短時間勝負型」へのニーズが高まり、ユーザーの二極化が鮮明になっているのだ。この変化の波を捉え、新たな成功を掴むには、どのような戦略が必要なのか?その鍵を握るのが「時間革命」だと株式会社フリコユラスの吉田真晃氏が語る。
ぱちんこ業界の変革と記憶に残る2024年
2024年は「ラッキートリガー」やいわゆる「でかヘソ」搭載機の登場など、ぱちんこ業界にとって大きな変化があった一年でした。特に「ラッキートリガー」は、ルール緩和に基づくスペックアップによってスマパチ市場を牽引しました。さらに発表されている通り、新たなルール緩和がございました。対応機のリリースが本年の夏頃と予想されており、ぜひ注目したいところです。
また、「P貞子」「eガンダムユニコーン2」などのヒットにより、「でかヘソ」機への期待も高まっています。各メーカー様も続々と商標出願されていることから、こちらも今後多くのリリースが予想されます。2025年はこのようなポジティブな影響によるぱちんこ市場の成長に期待が寄せられています。
スマパチの普及状況とその影響
登場当初には思うような実績を残せず、あまり期待されていなかったスマパチですが、ラッキートリガーの搭載により、徐々にユーザーからの支持を受けるようになってきました。2024年12月時点で、スマパチ設置シェアは15%である一方、アウトシェアは24.3%と設置シェアを大きく上回っています。これはスマパチが市場で非常に高い需要を持っていることを示しています。さらに粗利シェアも27%と高く、設置台数が全体の15%に対してアウトと粗利が約1/4を占める状況です。
この背景には、若年層ユーザーの存在が大きく影響しています。10~30代の客層割合はスマパチ全体で43.2%と、4円ぱちんこ全体の26.7%を大きく上回っています。つまり現在のスマパチのメインユーザーは若年層であり、彼らの消費行動こそがトレンドを形成しているのだと考えています。
短時間勝負型ぱちんこへのニーズ
若年層ユーザーが求めるもの、それは短時間での勝負です。からくり魔王やリゼロ2、SAO閃光など、人気のスマパチ機種のピーク稼働時間は夜20時に集中していることがわかりました。また、スマスロでも高純増タイプが選ばれるため、「出玉の多さ」に加え「勝負の速さ」が求められるトレンドが浮き彫りとなりました。
変化するぱちんこの楽しみ方:レバブル、先バレ、でかヘソ
従来のぱちんこは、予告やリーチなどの演出で通常時の退屈さを緩和する必要がありました。しかしレバブルや先バレの登場により、「熱いときに熱ければ、ほかはシンプルで良い」というニーズが生まれました。リーチや予告が減ったことにより、変動効率が向上し、結果として初当りまでの時間を削減することができました。これが「でかヘソ」機でさらに発展し、「変動時間の短縮」が実現しました。「回る」という価値だけでなく、このような部分にも若年層のニーズを満たす要素があったわけです。
新機能「P-スキップ」に注目
そして「時間革命」を加速させる注目の機能があります。それが京楽産業.株式会社の「P-スキップ」でございます。「P-スキップ」は、期待度が低い演出を任意でスキップできる機能です。ユーザーは、従来のように演出を楽しむことも、時間短縮のためにスキップすることも可能となり、自由度の高い遊技体験を実現できます。
「P-スキップ」初搭載機「eシン・ウルトラマン」
「P-スキップ」を初搭載する機種として注目を集めているのが、「eシン・ウルトラマン」でございます。1/199という遊びやすいスペックに加え、継続率75%・ALL3000発のRUSHを搭載。さらに1回転決着というスピード感も備えています。
「P-スキップ」の効果により、通常時の変動時間を最大23%短縮できるという試算もございます。従来の1/199スペック機と比較しますと、初当りまでにかかる時間が約43分から約35分程度となり、おおよそ10分短縮することが可能になります。
これは、特に時間がないユーザーにとって大きなメリットとなります。従来、ぱちんこは「時間がある時にゆっくり楽しむ」というイメージが強かったかと存じます。しかし、「短い時間でも効率的に遊技したい」というユーザーが増えた今、この機能が活躍する場面は増えていくと思われます。
「P-スキップ」のホールメリットとは?
「P-スキップ」は、ユーザーだけでなくホールにも大きなメリットをもたらします。
P-スキップを使用すると止め打ちする時間が減るため時間アウトが上昇します。さらに、投資スピードの上昇も見込めるため、売上アップに貢献するでしょう。
独自試算にはなりますが、この短縮効果が1日の営業に与える影響を試算してみました。
未使用の場合と比べ、同じ遊技時間であった場合アウトは6,000発、売上は1万2000円以上変わってきます。スキップが使われれば使われるほど、その効果は高まりますので、導入の際には「P-スキップ」周知のための販促や、使用場面を増やすために高スタートを意識した運用が重要となってくると思われます。そのような運用が難しい状況であることは理解しておりますが、売上が上昇してくれるのであれば利益コントロールも可能になってきます。本来ぱちんこがあるべき姿、回す、稼動する、さらに回せる、といった薄利多売の好循環を実現できる機能なのでは、と期待を寄せています。
「時間革命」が変える、ぱちんこ業界の未来
「でかへそ」「P-スキップ」を中心とした「時間革命」は、ぱちんこ業界に新たな風を吹き込む起爆剤となる可能性を秘めております。「時間がないから…」とぱちんこを敬遠していた層を取り込み、従来のファンも満足させる。そんな未来を実現するために、ぱちんこ業界全体で「時間革命」を推進していく必要があるでしょう。