帝国データバンク調査、パチンコホール経営法人の二極化が鮮明に
遊技通信2024年6月21日
帝国データバンクがまとめた「パチンコホール経営法人の経営実態調査(2023年)」によると、直近3期連続で業績が判明したパチンコホール経営法人1,336社の2023年の総売上高は、前年比1.9%減の11兆1,525億円で、コロナ禍後の経済活動が回復するにつれて減少幅は縮小していることが示された。なお総売上高は、2018年の17兆6,915億円をピークに、年々減少している。
損益が判明した法人の分析では、黒字企業の割合が52.5%となった。コロナ禍で業績が悪化した2021年には約6割の法人が赤字となっていたが、業績は徐々に回復し、3年ぶりに黒字企業が過半数を超えた。
同社では、2023年の業況について、コロナ禍で悪化した事業環境が改善した1年だったとしたうえで、スマスロのヒットが集客に苦戦していたホールの救世主となったと分析。しかし、業界全体からみればコロナ禍で大幅に落ち込んだ来客者数の改善は一部の業者に限られており、ファン離れの傾向について抜本的な解決には至っていないと指摘している。また、ガイアの民事再生法申請や廃業を決断する業者も散見されているものの、集客力の回復や事業譲渡などが進み、倒産件数は24件(前年は34件)と減少に転じていることを伝えた。
さらに2024年は、「廃業が増加、淘汰が進む可能性がある」との見通しを示した。スマート遊技機の市場拡大や改刷対応で多額の設備投資が不可欠となり、手元資金の有無が業績の明暗を分け、二極化が鮮明となる一年になりそうだと伝えている。そのうえで、長年にわたるパチンコ・パチスロ需要の減少によって資金繰りに余裕のある法人は少なく、新たな資金調達の可否が鍵となるとしている。