米カジノ収益は過去最高の10兆円 3年連続過去最高を更新
アミューズメントジャパン2024年3月4日
アメリカンゲーミング協会(American Gaming Association/AGA)によると、全米のコマーシャルカジノの2023年通期の総ゲーミング収益(GGR)は、過去最高だった前年を10.0%上回る665.2億ドル(約10兆円)だった。
アメリカのコマーシャルカジノ市場は、2020年のCOVID-19パンデミック禍で営業を制限され大きく落ち込んだものの、翌2021年には急回復し、GGRは2019年を21.4%も上回り過去最高を記録した。そして、2022年、2023年と3年連続して過去最高を更新した。トライバル(部族)カジノの総ゲーミング収益はまだ公表されていないが、これを含めると2023年の米国におけるカジノの総ゲーミング収益は1100億ドル(約16兆5千億円)に到達すると、AGAは予想している。
コマーシャルカジノの2023年の累計GGRを部門別に見ると、スポーツベッティングの成長が目覚ましく、GGRは前年比44.5%増の109.2億ドル(約1兆6418億円)となり、テーブルゲームを超えた。iGamingも同22.9%増と大きく伸び61.7億ドル(約9276億円)に。伝統的なゲームも成長しており、スロットマシンは同3.8%増の355.1億ドル(約5兆3390億円)、テーブルゲームは同3.5%増の103.1億ドル(約1兆5501億円)だった。
スロットマシン、テーブルゲームおよび小売りのスポーツベッティング等から成るランドベースゲーミングからの収益は500.2億ドルで総ゲーミング収益の75.3%を占め、オンラインゲーミング(オンラインスポーツベッティングおよびiGaming)からの収益は164.3億ドルで同24.7%を占めている。
この記録的な市場成長の結果、コマーシャルカジノ事業者は州および地方自治体に対して、年間を通じて前年比9.7%増の144.2億ドル(約2兆1680億円)のゲーミング税収をもたらしたと推定される。〔注〕このゲーミング税収は、事業者のゲーミング収入に直接かかる収税および地方税の推定であり、連邦政府への年間費用やスポーツベッティング消費税は含まれていない。
文=田中剛(アミューズメントジャパン)