大阪・夢洲IR 開業は2030年秋頃を見込む
アミューズメントジャパン2023年10月2日
国土交通省は9月22日、大阪府・市がとIR運営事業者(大阪IR株式会社)が策定した実施協定を認可。これを受け、大阪府・市は同月28日に大阪IR社と実施協定ほか関連協定等を締結した。
実施協定案は、府・市が2022年4月に国土交通省に提出した区域整備計画を基に作成され、今年9月5日の第10回副首都推進本部(大阪府市)会議で公表後、同省に申請していた。締結した実施協定は、当初の区域整備計画で2029年秋〜冬ごろとしていた開業時期を2030年秋ごろに変更したほか、建設資材価格等の高騰の影響などから、初期投資額を当初の約1兆800億円から約1兆2700億円へと17%増加した。これに伴い必要となる約1900億円の追加資金調達は、大阪IR社の中核株主であるMGMリゾーツとオリックスによる出資額の増加によって対応する。
また、2022年に締結された基本協定に盛り込まれた、事業の前提となる条件が未充足の場合におけるSPC(特別目的会社=大阪IR)の「解除権」の期限が延長され、2026年9月末と規定された。大阪IR社は、「税務上の取扱い、カジノ管理委員会規則」「資金調達」「土地・土壌に関する市における適切な措置の実施」「観光需要の回復見込み」などのいずれかが条件を満たしていないと判断した場合、違約金なしで実施協定を解除できる。条件のひとつになっている夢洲の液状化対策については、IR事業の準備工事として今秋に着手される。
文=田中剛(アミューズメントジャパン編集部)