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ダイコク電機の「MIRAIGATE2023-july DK-SIS Webセミナー『躍動』」が閉幕 遊技通信2023年7月31日

ダイコク電機は7月24日から28日まで「MIRAIGATE2023-july DK-SIS Webセミナー『躍動』」を開催し、盛況に終わった。

Webセミナーは1日2部制で行われ、同社MIRAIGATE-SIS統括部の片瀬宏之氏、成田晋治氏、服部祐治氏、後藤俊介氏、竹河雅斗氏が日毎に2氏ずつ講演し、主催者挨拶の動画では栢森雅勝代表取締役社長が「今回のセミナーでは実際の変化はどの程度だったのかとう全体像から入り、その後に話題に隠れてしまっている重要な変化に触れ、その変化の流れを生かす提案へとつなげていく。何かひとつでも皆様にお役に立てるよう願っている」と述べた。

第1部 4円パチンコが凋落した要因とその改善

セミナー第1部では、パチンコについて“守り”の営業をテーマに講演。まず今年の全店業績は、前年比で遊技時間・売上・粗利がすべて上昇し、パチンコとパチスロの台数シェアに変化がない中でパチスロの業績シェアが拡大しているため、パチスロ台数を増やしていけば業績向上が見込める状況にあるとした。一方、4円パチンコはアウトが落ちていても粗利は大きく変わっておらず、活用をみる数値である玉粗利もまだ上昇傾向にあるため、「玉粗利がさらに辛くなり、時間粗利も辛くなっている状況が、4円パチンコの凋落を招いている要因のひとつに挙げられる」と説明した。

4円パチンコの時間粗利の上昇については、「稼動時間と時間粗利の年間推移(2000年〜2022年)」の推移グラフを示しながら、これまでの流れも解説。MAXタイプが台頭した2008年頃を起点にして4円パチンコの時間粗利が上がり続け、逆に稼動時間は下落の一途を辿っているとして、「時間粗利が上昇すると稼動時間が低下するという相関があり、推移グラフでみると時間粗利と稼動時間はワニの口のように広がっている。遊技時間粗利の高騰を止めないかぎり、4円パチンコの復活はありえない」と警鐘を鳴らした。

また、4円パチンコが凋落した要因には、ハイミドルタイプの台数シェアの急拡大と機種スペックの極端な偏重も挙げられるとして、その理由についても分析データを示しながら解説。まずハイミドルタイプの台数シェアは、今年5月時点で64.0%まで拡大しており(2018年は56.4%)、昨年同期比でアウトも遊技時間も落ちているため、すでに飽和している状況がうかがえるとした。また、ハイミドルタイプの機種スペックの偏重によって、玉粗利は2018年の1.59円から今年は1.98円まで上がっている現状も指摘。「利益率は2018年と比較して大きな変化はみられないが、玉単価が上がると自ずと時間粗利も高くなる。以前と同じような利益率で管理していることも時間粗利の高騰に影響している」として、従来と同様に利益率で管理しないよう注意を促した。なお、稼動貢献データをみると、直近1年間に登場したハイミドルタイプの機種平均の稼動貢献週は8週(前年同期の登場機種平均比でマイナス5.3週)、10週OVER率は30.1%(同マイナス16.0%)となっているが、こうしたデータにも4円パチンコ凋落の要因が現れているとした。

さらに、ハイミドルタイプの機種スペックの偏重については、①実質千円スタート、②推測最大MY、③スタート賞球数、④実質TO、⑤実質時間アウト、という5つのポイントから問題点を解説した上で、「業界全体で極端な出玉性能や出玉スピードを追求してしまった結果、有力スペックは出玉至上主義一辺倒になり、ファンの疲弊を起こしてしまったのではと思う。このままでは立ち行かなくなるという実情をメーカー側にも上げていく必要がある」と強調した。

加えて、4円パチンコのファンが1円パチンコに移行するのを留めるためにも、4円パチンコのライトタイプに着目する必要性を指摘。同社の顔認証システム「Xai-FACE」による回遊分析データでも、4円ハイミドルタイプを遊技するファンの回遊先として、20円パチスロのATタイプ、次いで4円ライトタイプというデータが出ているとし、ライトタイプで好業績になりやすい機種の見極めとして、「平日初日 遊技時間6:30以上」「2週目平日初日 遊技時間維持率75%以上」という導入後の確認ポイントも紹介した。

最後に、4円パチンコの遊技時間粗利の高騰を抑えるための手法について提案した。

2021年5月時点でアウト1万個以上〜1万5,000個未満の店舗を抽出した、①2021年6月〜2022年5月、②2022年6月〜2023年5月の新台導入効果分析データをみると、①の期間では入替回転数が多い店舗の方が入替回転数が少ない店舗よりアウト・台粗利が高くなる傾向がみられたが、②の期間では入替回転数の違いによるアウト・台粗利の差が僅差になっていることを紹介。「今はそれほど入替回転させても業績に与える影響が薄まっており、かつ入替回転数が多い店舗は玉粗利が辛くなっている。パチスロ市場が良化し、4円パチンコ凋落の兆しがある中では、遊技機購入よりも活用の方が重要。業界が目指すべきは、入替回転数を減らしてPPM分析などの活用に目を向けて玉粗利に還元していく方が、結果的に利益が残せる可能性が非常に高い」と説明した。

 

第2部 20円パチスロの業績を上げる2つのポイント

セミナー第2部では、パチスロについて“攻め”の営業をテーマに講演した。まず同社の商圏分析サービス「Market-SIS」によるファン動向データから、20円パチスロのファン人数がこの1年間で約3割増えて、4円パチンコのファン人数を大きく上回っている現状を紹介。また、顔認証システム「Xai-FACE」によるファン動向データ(種別比率)をみても直近6月26日の週のデータでは、4円パチンコのみ遊技するファンは37.7%、20円パチスロのみ遊技するファンは38.9%と、同社が顔認証データを集計して以来初めて20円パチスロのみ遊技するファンが4円パチンコのみ遊技するファンの比率を上回ったとし、現状は20円パチスロに力を入れた方が効率的だと説明した。

また、昨年5月と今年5月の比較でノーマル系とAT系の状況をみると、台数シェアはほぼ変わっていないが、AT系のアウトシェアと粗利シェアがアップし、台粗利は1,750円から3,280円に上昇。20円パチスロのATタイプの機種貢献データでも、直近1年間(昨年6月〜今年5月)の登場機種は、稼動貢献週11.2週と前年同期比で3週アップし、総合貢献データでも累計台粗利が前年同期比で約20万円上がっているなど、20円パチスロの業績向上はATタイプがカギを握っているとした。なお、6.0〜6.4号機の台数シェアが低いところほど20円パチスロの店舗業績が高い傾向が出ているため、スマートパチスロや6.5号機の導入にあたっては、6.0〜6.4号機ATを撤去することで大きな効果を生むと解説した。

また、こうした市場動向の解説に加えて、①コイン単価に注目した最適シェアの構成、②人気機種で集客する王道営業、という20円パチスロの業績を上げる2つのポイントについても提案した。

まず①については、パチスロにも高コイン単価機種が登場するようになった今、高コイン単価機種(設定1で3.5円以上)と低コイン単価機種(設定1で3.0円以下)のコイン単価別台数シェア分析データを示しながら、どれほどの台数シェアにすれば業績向上につながるかについて解説。データをみると高コイン単価機種は、台数シェアの大小に関わらずアウト支持率が100%を切っている一方、低コイン単価機種は、どの台数シェアにおいてもアウト支持率110%以上になっていることから、「低コイン単価機種の台数シェアを上げてファン人数を増やすことで、高コイン単価機種を他店より稼動させることができるといった状況があると思う。今後、高コイン単価機種を導入する際は、まず自店のコイン単価機種のデータをみて、高コイン単価機種同士の入替を推奨したい。また、低コイン単価機種の導入については、6.0〜6.4号機の入替を実施することで店舗業績を上げてほしいと思う」と提案した。

ちなみに昨年7月以降の登場機種の稼動貢献データをみると、高コイン単価機種(設定1で3.5円以上)の平均の稼動貢献週は8.8週とATタイプの11.2週を下回り、低コイン単価機種(設定1で3.0円以下)は16.4週と稼動貢献が長い。ただし低コイン単価機種は、機種間の差が大きく、機種選定が重要になるため、長期貢献しやすい機種の見極めとして「設定1のコイン単価3.0円以下、かつMY単価900以上」という確認ポイントも紹介した。

続いて②の提案では、ATタイプの中でも朝イチ開店時の集客力が高い「Lスマスロ北斗の拳」「Sパチスロ 甲鉄城のカバネリ」の2機種を花形(メイン機種)とする王道営業でさらなる躍動につなげる手法を解説。これまで市場を牽引してきた「カバネリ」の分析結果をもとに、今後の「北斗の拳」に活用できる営業方針を提案した。

まず「カバネリ」の設置台数とアウト別の分析データを示しながら、台数とアウトの相関を説明。台数が少ない店舗でもアウトが高いところがある一方、逆に台数が多くてもそれほど動いていない店舗もあるとして「『カパネリ』についてはアウトが高いとアウト支持率も高くなるという特有の傾向がみられる。花形営業で『カバネリ』のアウトを上げて店舗の信頼を得ることが、20円パチスロのアウト向上につながる。台数でなくアウトを上げる戦略をとるべき」と解説した。

また、昨年7月の「カバネリ」導入後の月間業績データをみると、大規模な増台があった昨年12月から今年1月の期間を境にして全国的にコイン粗利を低くしている傾向がみられるとして、増台時のアウトと活用の変化に着目した分析データを紹介。「今年1月の増台時に、昨年12月より甘く活用してファンにアピールした店舗はアウトが上がっている。逆に、それまでの甘い活用を続けていた店舗は、周りがもっとファンにアピールしたためにアウトが落ちている。その後の期間にかなりの薄利で営業しても、最初にリードした店舗との差が縮まっていないため、増台時に効果的なアピールができなかった場合は、その後の活用によって差を埋めることは難しい。増台時に効果的な活用とファンへのアピールをすることによってブランディングが確立したのではないかと思う。8月に『北斗の拳』の増台があるが、増台する店舗はこのタイミングを逃さずに、今以上の花形営業とファンへのアピールをすることによって店舗のブランディングを確立してもらえればと考えている」と解説した。

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