2022年の市場規模は14.6兆円
アミューズメントジャパン2023年7月20日
ダイコク電機は7月19日、都内の東京ドームホテルで「DK-SIS白書2023年版」刊行に伴う記者発表会を開催した。DK-SIS会員のデータを基に推測された2022年の業界規模は、総売上が14.6兆円で総粗利が2.38兆円。前年からほぼ横ばいで推移した。
総売上の内訳は、パチンコが8.8兆円（前年比0.6兆円増）でパチスロが5.8兆円（同0.6兆円減）だった。総粗利はパチンコが1.52兆円（同0.11兆円増）で、パチスロが0.86兆円（同0.12兆円減）。パチスロの業績不振を好調なパチンコで支えた構図が確認された。
MG-SIS統括部プロフェッショナルの片瀬宏之首席講師は、「パチスロ業績は6.5号機の登場以降に好転」「4円パチンコの時間粗利が高騰」「明暗が分かれる新機種の償却達成」などのキーワードを挙げて、22年の業績概要を説明した。
2月から6号機に完全移行したパチスロの業績は8月まで、アウト、売上、粗利のすべてが前年割れで推移した。9月以降に徐々に回復に向かうものの、年平均の粗利は集計以降初めて2000円を下回った。
パチンコの業績は、2年連続で前年を上回った。しかし6月以降は、それまで前年比1000個以上増だったアウトの伸長が半減。にもかかわらず粗利は2400円前後を維持し続けた。
片瀬首席講師は23年6月までのデータも示しながら、今後の業績について言及した。スマスロも登場したパチスロでは、「全体的に貢献データが良化。20円内のシェア50％を超えるAT機では、貢献週や償却達成率、累計台粗利が大きく改善している」と明るい兆しを解説した。
一方で、「23年上期の4円パチンコ業績は22年以下。下期は上期ほど伸びないため、凋落の始まりが確実視される。時間粗利が高いままではアウトの回復はない」と警鐘を鳴らした。時間粗利が上昇する一因は、出玉至上主義の機種があまりにも増えていることだという。
2004年に創刊したDK-SIS白書は今号で20冊目。捕捉するデータは市場の約141万台分で、カバー率はおよそ40％に及ぶ。栢森雅勝社長は、「DK-SIS白書は、時代の流れを写し出してきた。変化のときにどれほどの影響があったのか。変化の記録であり、その先をどう考えるのか、未来のための資料でもある。スマート遊技機が登場した先にあるヒントを与えるお手伝いができるのではないか」と述べた。
