船井総研が独立開業応援セミナー開催へ
アミューズメントジャパン2023年4月27日
店舗数の減少トレンドが続くホール業界で、ホール運営の経験を積んだ人材が独立開業するケースが出始めてきた。ホールのM&Aで実績のある船井総合研究所では、この動きを応援するセミナーを開催するという。その背景を同社上席コンサルタントの奥野倫充さんに聞いた。
──独立開業セミナー開催の背景は？
奥野 ここ数年、ホール企業のM&Aは、資金力のある法人が大型店や複数店舗を展開している法人を買収されるケースが多くなっています。一方で撤退を考えていらっしゃる店舗のなかには、業績が悪いわけではないけれども、今後スマート遊技機などに投資してまでパチンコ事業を継続するかを決めかねている店舗もあります。そうした店舗は案件が滞留してもったいない状況になっています。
そんななか10年ほど前から、経営者の親族ではなく、新卒採用で入社して長年勤めてきた人材が社長になるケースが出てきました。さらに最近では、そうした人材が独立開業するケースも散見されるようになってきたのです。撤退を考えていらっしゃる経営者がいる一方で、優秀な人材の中から独立開業オーナーが出てくる。そういう流れが今後広がっていくのではないかと感じていますし、業界全体を活性化させる動きになるのではないかと期待もしています。これは業界の中で優秀な人材の活躍の場が増えていく、とても前向きな話だと思います。その動きを応援するために、独立開業セミナーを開催してみようと考えました。
──独立開業の方法は？
奥野 ポイントは資金調達になります。これには勤務していた企業に出資していただくケースや、スポンサーが背中を押して出資してくれるケースなどがあります。借入の場合は、私どもが金融機関をご紹介できないわけではありませんが、最終的にはご本人の信用で調達しないと成立しません。そうした点も含めて、私どもがご提案して並走していければと考えています。物件に関しては当社が蓄積してきたM&Aの実績がありますので、しっかりサポートさせていただきます。
──セミナーの形式は？
奥野 独立開業にはリスクも伴うので、私たちも緊張感を持って臨むつもりです。そのため、セミナーはリモートではなく対面で向き合った形で開催させていただきます。スマート遊技機の登場で開業しやすくなった背景をご説明し、すでに独立開業した経営者が独立開業までにたどった道筋を整理してお伝えします。業界が取り組んでいるパチンコ参加人口を増やす取り組みなども共有させていただきます。そして実際に独立開業した経営者もお招きして体験談もお話しいただきます。その場で参加者様の個別の思いなども直接お聞きできればと考えています。
──独立開業をする人材が増えることで何が見えてきますか？
奥野 業界を離れていく経営者がいる一方で、これからの業界にチャンスを感じて新しく経営者として頑張る人が出てくることには夢も感じています。今後さらに事業撤退を考える経営者が増える可能性は高いと思っていますので、そういう方には出資者になりませんかというお話もさせてもらっています。事業承継という視点で、オーナー様と人材をマッチングできれば、必ずこれからの業界のためになるスキームになるはずです。
※『月刊アミューズメントジャパン』2023年5月号に掲載した記事を転載しました
