マーケティング理論に基づき6.5号機を伝える【コラム】
グリーンべると2022年7月14日
失敗しない売り場プロモーション⑧(文=野島崇範/株式会社プラスアルファ専務取締役)
6.5号機のプロモーションは控えるべき!?
ここ最近、6.5号機のプロモーションについて質問を多々いただきます。個人的には1店舗あたりの導入台数が少ないため6.5号機の島を作ることが年内は難しいと想定します。さらにスマスロが急浮上しているため過度なプロモーションは控えた方が良いというのが私の見解です。恐らく、皆様の期待していた答えとは異なるのではないでしょうか。
設置台数1,000台を超える旗艦店では、グループ店舗から6.5号機の遊技台を集めることができるため、私が支援させて頂いている法人では、ランチェスター戦略の地域1番店の戦い方のひとつである確率戦で戦う試算を練っています。
今回はランチェスター戦略を伝えたい訳ではないため解説は簡略化させていただきます。ランチェスター戦略は資本(お金)とブランドの戦いです。地域1番店は既に持っているブランドを最大限活用するために資本を投下する戦略を選択します。一方、地域2番店以降の資本力は基本的に地域1番店に負けるため、ブランド価値を高めるために人財に投資する戦略を選択します。
地域1番店の確率戦とは成功するかどうか分からない挑戦を積み重ねる戦い方です。ある意味、一か八かのギャンブル的な発想です。それが可能なのは、安定した巨大資本を持ち得ているため、失敗しても倒産するリスクが極端に低いからです。
持ち得ている資本を最大化するためには、伸びる可能性のある様々な分野・部門に投資をすることが重要です。そのため、集客できる6.5号機の島を作るという成功例は現時点ではないものの、一度作り込んで顧客反応を見極めるという戦略を選ぶことはが地域1番店の定石の一つなのです。
しかし、ご支援させて頂いている企業の店長を含めた経営幹部の方の要望を無視するのも忍びないため、6.5号機やスマスロを含めて新しい性能を持った遊技台をお客様に伝えなければならないタイミングでどのような広告手法を選択しなければならないのかイノベーター理論を使って解説します。
イノベーター理論とは?
新しい製品、サービスの市場への普及率を表したマーケティング理論です。スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャーズ教授が『イノベーション普及学』という著書の中で 1962年に提唱しました。イノベーター理論では、普及の過程を5つの層に分類しており、それを基にマーケティング戦略、市場のライフサイクルについて検討することが推奨されています。
下記のグラフをご覧ください。
このグラフから言いたいことは、情報感度が高い人と情報感度が低い人に分けて伝え方を変える必要があります。詳細な説明が必要なのはレイトマジョリティ(後期追随者)が生まれる前後です。それまでは詳細な説明は不必要です。
なぜなら、情報感度が高いイノベーター(革新者)2.5%やアーリーアダプター(初期採用者)13.5%やアーリーマジョリティ(前期追随者)34%は、自分自身で情報収集を行うため6.5号機やスマスロのことを十分に知り得ているからです。店舗が詳細な情報を掲示しても見ません。
6.5号機やスマスロの導入期のタイミングは、6.5号機やスマスロが一目で分かるようにデザイン設計することがポイントです。
以下、デザインの参考例です。
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◆プロフィール
・野島崇範(のじま たかのり)
1983年三重県生まれ。北海道教育大学卒。全国のホールを年間1,000店舗以上調査し、その中から繁盛店に共通する法則を見つけ出し「伝達力」と定義。「伝達力」調査の分析に基づき、お客様立場の徹底と継続の重要性を、支援先ホールの全スタッフと共有する。また、売り場ランチェスター戦略の第一人者として、科学的に売り場の支援を実施。売り場の書籍「あなたの売り場、太っていませんか?」を発売。
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