「DK-SIS白書2022年版」発刊 好調4円パチンコの時間粗利に警鐘
遊技通信2022年7月8日
ダイコク電機は7月7日、オンラインで「DK-SIS白書2022年版-2021年データ」の記者発表会を開催し、2021年の業界市場規模を2020年と同じ14.6兆円だったことなどを明らかにした。パチスロの不振をパチンコが補ったものの、コロナ禍前の7割強に留まった。
DK-SIS白書2022年版は今年で19冊目。発表会の冒頭、挨拶をした大上誠一郎社長は、新規則機市場になって5カ月が経過したものの、20円パチスロの低迷を成績が上向きで安定している4円パチンコの遊技時間粗利の高さで補っている市場環境に懸念を示した。その上で大上社長は、業界全体が上向きになるためには4円パチンコの粗利依存度を下げる必要性があるとし、今後、6.5号機やスマートパチスロなどの登場でこれが是正されていくことへの期待感を示した。また、今のパチンコに頼った環境は2008年頃の4号機から5号機への移行時の構図に似ている点を指摘。「不透明な業界にあって、今後のホールの戦略を決めるには過去のデータを参考にするのも重要になる。白書は適正な判断を下すにあたって必ずお役に立てるものと確信している」と述べた。
今回の白書の概要については、DK-SIS室の片瀬宏之室長が解説を行った。片瀬室長は、今回の白書におけるキーワードとして、「新規則機への完全移行 パチンコとパチスロで入替進捗・業績推移が異なる」「業界総売上・総粗利は昨年から横ばい コロナ禍前の7割強に留まる」「13年ぶりに4円パチンコの業績が前年を上回る 4円パチンコの粗利依存度が過去最高となる」「パチスロ業績が過去最低に 6号機の不振が続く」の4点を挙げ、それぞれに解説を加えた。
特に4円パチンコの遊技時間粗利が前の年の1,140円から100円上がって1,240円に上昇し、依存度をより高めた点について、「完全5号機市場になった2008年に4円パチンコの業績は一旦上がったが、その後、12年間右肩下がりが続いた。1年で時間粗利が100円上がるのは過去、07年から08年にかけての時しかない。せっかく良くなったパチンコがまた悪くなるのではないかと危惧しており、業界全体で注意していかなければならない事柄だと考えている」と警鐘を鳴らした。