PAAがギャンブル等依存症問題勉強会を開催
遊技日本2021年5月20日
一般社団法人ぱちんこ広告協議会(以下PAA)は5月18日、パチンコ・パチスロ依存症問題の啓発週間にあたり、会員向け勉強会をwebセミナー形式で開催した。広告事業者として「ギャンブル等依存症問題」への理解を深めることが目的。勉強会では、講師に認定NPO法人リカバリーサポート・ネットワーク代表理事西村直之氏と、株式会社マルハン鈴木智一氏を迎え、パチンコ研究家丈幻氏の司会で「ギャンブル等依存症問題に対するパチンコホール事業者の実際の取り組みについて」をテーマに、RSNの活動について、ホール経営企業各社の様々な活動について話があった。
冒頭、大島理事長は「コロナ禍でのギャンブル等依存症問題啓発週間となりましたが、業界内の取り組みとしてパチンコ・パチスロ依存問題フォーラム実行委員会によるウェブフォーラムが開催されるなど、様々な取り組みがされています。そうしたなか、PAAとしては改めて会員向け勉強会を開催することにしました。これまでも和歌山県や三重県などで勉強会を開催してきましたが、より深く具体的にお話しいただける環境を作るため、今回はあえてクローズドにしました。会員のみなさまにはぜひこの勉強会を通して、ギャンブル等依存問題に対しての理解を深め、今後の活動に活かしていただければと思います」と挨拶した。
続く勉強会では、西村氏がRSN設立の経緯や支援制度、相談件数や内容の変遷と現状、コロナ禍での相談者の変化、また世界との比較などを解説した。鈴木氏からはリカバリーサポート・ネットワーク(以下RSN)に出向し実際に相談業務に携わった経験も踏まえ、現在行われている様々な取り組みなどについての話があった他、依存問題対策を紹介するイラストやオリジナル動画も視聴した。また勉強会の最後にPAAに望むこととして、西村氏からは「RSNだけでは難しい、ファンや社会とのコミュニケーションラインを開くきっかけづくりを期待したい」。鈴木氏からは「依存対策だけに限らず業界が取り組んでいる社会貢献活動など、ファンに伝わる発信をお願いしたい。他団体でも業界の取り組みを発信しているので、連携して発信力を高めてほしい。また基本計画など国からの要請が出されてから対応するのではなく、積極的に先手を打った施策の展開を期待しています」との提案があった。
質疑応答では、個人個人への回復支援の必要性を感じているが全国にどの程度の施設や拠点があるのか、身近な人に依存傾向がみられた時の接し方はどのようにすればいいのか、などの質問が寄せられた。
最後に松丸副理事長から、「相談現場の情報や生の声を聴けた良い勉強会になったと思っています。西村代表と鈴木さんからいただいた要望は、コミュニケーションを仕事としている会社が多いPAAが推進していかなくてはならないと感じました。持ち帰り進めていきたいと思います」と西村氏、鈴木氏、丈幻氏への謝意とともに会を締めくくった。