ダイコク電機「MIRAIGATE2020」、DK-SISセミナー
遊技通信2020年9月16日
9月1日から15日まで開催されたダイコク電機のWeb展示会&セミナー「MIRAIGATE2020」では、DK-SISセミナー「New Normal DKビッグデータが導く未来への道筋」も行われた。Web展示会場から定刻に聴講できるようにし、MG-SIS統括部の片瀬宏之首席講師、成田晋治上席講師、服部祐治上席講師、片山統揚常任講師が日程ごと2氏ずつ輪番で講演した。
コロナ後の業績回復は「遊タイム機の情報公開と活用」がカギに
今年1月から7月までの月間業績推移をみると、年々下落傾向だった4円パチンコの業績が今年1月と2月は前年同月比でプラスに転じ、パチスロが厳しくなる中でパチンコは業績回復の兆しがみえた。その後は新型コロナで下落し、7月には前年同月比で約80%まで回復したが、自然回復は頭打ちになっているとした。コロナ自粛以降の稼動の戻り具合を商圏分析サービス「Market-SIS」でみると、4円パチンコより1円パチンコの稼動率の回復が早く、1円パチンコの客層は年配の常連ファンで占める。今後は常連ファンをつくることが業績回復のカギになるとして、常連づくりに関連する貯玉の動向についても説明。「新型コロナの影響で4月に最も下ろされた。徐々に回復しているが、貯玉数の多かった大型店はコロナ前まで回復していない状況がみえる」として、自店の貯玉数に着目した施策の必要性を指摘した。
「BiGMO PREMIUMⅡ」の新解釈基準機対応。「Wスタート」(左下)、機種ごとの遊タイム発動回数も表示(右上)
コロナ禍からの回復が頭打ちになっているのに加え、パチスロ業績悪化をどう補填するかという課題もある。「店舗がどう動くかが重要だが、そのひとつのカギとなる遊タイム機にいち早く対応すれば大きなアドバンテージが得られる」とした上で、同社の情報公開端末の新解釈基準機対応「Wスタート」の必要性を解説した。
今年登場した遊タイム機の動向をビッグデータからみても、初動推移が好調で遊技時間も長い。加えて「当りまでの投資金額が判断できてファンが追いかけてくれる。それに伴ってアウトや売上が上がる」といった遊タイム機の特徴もあるため、今後の業績回復には不可欠とした。遊タイム機の活用をサポートするAIコンピュータ「X(カイ)」の最新データ管理も紹介した上で「遊タイム機を積極的に導入して活かしていくことが業績を支えるカギになる」とした。
高射幸性機撤去の受け皿探しに有効な「回遊データ」
年末までに撤去される高射幸性遊技機や沖ドキ!を遊技するファンの離反防止は大きな課題。パチンコも含めた受け皿の探し方について、全国ファン動向データ公開サービス「Fan-SIS」の回遊指数(機種間での回遊の高さを示す数値)を用いながら、撤去後にアドバンテージが見込める機種選定の方法を解説した。機種の設置シェアも重要になるため、自店商圏内で回遊の高い機種の設置台数を考えた戦略が立てられる商圏分析サービス「Market-SIS」の「商圏機種一覧」についても紹介した。ちなみに回遊データはパチスロだけでなくパチンコでも確認できるため、パチンコも視野に入れて受け皿を考えるべきとした。
パチンコの業績を引き上げる「PPMサイクル」を提案
ダイコク電機が提唱してきた「PPM」を戦略として浸透させるべく、実践可能な手順によるパチンコの業績アップ手法「PPMサイクル」を紹介。この手法は3つのチェックポイントをクリアしていく手順を踏む。
「チェックポイント1」は「撤去推奨台の台数シェアを25%未満に減らす」。撤去推奨台は4円パチンコ平均アウトの50%未満のものを指すが、そこまでアウトが下がると早々の撤去が必要になる。撤去推奨台が25%以上ある場合、SP玉粗利(店舗の意図した活用)を甘くしてもアウトの伸びがあまり見込めないため、何よりも最優先で実施すべきだと提唱した。「チェックポイント2」は、PPMの4分割の花形(アウト高・SP玉粗利低)のうち、SP玉粗利の平均からマイナス10銭までの機種を「準・花形」としてカテゴリー分けし、「『準・花形』の比率を25%以上にする」こと。これに伴って花形全体の比率も上がり、アウトの急激な伸びが見込めるとした。「チェックポイント3」は「SP玉粗利を20銭未満」にする活用の見直し。チェックポイント1・2のクリアが前提になるが、アウトが尋常でなく伸びて地域一番店が狙えるレベルになるとした。
チェックポイント2・3を簡単に把握できる「Xai-TACT」の「PPM帳票」。「準・花形」を含む8区分にも対応する
この「PPMサイクル」は、チェックポイント1から3まで順番に確認していくことでパチンコの業績が上がる。ダイコク電機ではパチンコ運用の「ニューノーマル」と位置づけており、PPMサイクルをアシストする機能として、AIホールコンピュータ「X」の構成システム「Xai-TACT」のオートコンサル機能を提案する。「チェックポイント1」は、週1回自動で撤去推奨台を知らせるオートコンサル「PPMアラート」で簡単に把握できる。「チェックポイント2」は、「PPM帳票」でサポート。「準・花形」を含んだ8区分表示に対応しており、帳票を開けば一目でPPM台数シェアを把握できる。