第102回パチンコDI調査 全般的業況はマイナス圏に転落、パチンコは依然として厳しい状況
遊技通信2025年10月14日
シーズリサーチはこのほど「第102回 パチンコ景気動向指数(DI)調査」の結果を公開した。
同調査は、パチンコ業界の景気動向の判定を目的に、ホール企業を対象に四半期ごと実施しているアンケート調査。今回は9月11日から9月30日の期間に実施し、53企業、81地域から回答を得た。
調査報告書によると、過去1カ月の収益や売上、粗利などから判断される「全般的業況」は、▲3.7ポイント(前回比9.1低下)とマイナス圏に転落し、3カ月後には▲8.6ポイントまで低下する見通しとなった。悪化した事業者の判断理由は、現況・先行きともに「客数の減少」が突出して高かった。
事業規模別の業況は、小規模事業者(1〜3店舗)が▲7.1ポイント(前回比0.4低下)、中規模事業者(4〜10店舗)が6.7ポイント(前回比13.3低下)、大規模事業者(11店舗以上)が12.5ポイント(前回比2.5上昇)となった。3カ月後は中規模事業者の業況が大幅に悪化する見通し。
パチンコ・パチスロ別稼働状況は、パチンコが▲43.2ポイント(前回比7.6低下)、パチスロが17.3ポイント(前回比7.0低下)。パチンコは3カ月後も同水準で推移するとみられ、パチスロは3カ月後に13.6ポイントまで低下する見通しとなった。
遊技料金別では、4円パチンコが▲55.0ポイント(前回比10.8上昇)で3カ月後も同水準で推移するとみられ、20円パチスロは13.6ポイント(前回比2.6低下)で3カ月後は12.3ポイントとなる見通し。また、低貸玉パチンコは▲14.8ポイント(前回比9.4低下)、3カ月後は▲12.3ポイントとなる見通しで、低貸メダルパチスロは42.1ポイント(前回比12.2上昇)、3カ月後は35.5ポイントとなる見通しとしている。
企業金融(資金繰り、貸出態度、借入金利)については、「資金繰り」を増減差(「楽である」-「苦しい」)でみると±0ポイント(前回比4.0上昇)。「貸出態度」を増減差(「緩い」-「苦しい」)でみると▲18.9ポイント(前回比8.9低下)、「借入金利」を増減差(「低下」-「上昇」)でみると▲15.1ポイント(前回比3.1低下)となった。
事業者規模別の「経営上の課題」について、小規模事業者(1〜3店舗)は「遊技機販売の縛り」が9割台前半で最も高く、2番目に「設備・運営費の増加」が高かった。中規模事業者(4〜10店舗)も「遊技機販売の縛り」が6割台前半で最も高く、2番目に「設備・運営費の増加」が高い。また大規模事業者(11店舗以上)は「遊技機販売の縛り」と「設備・運営費の増加」が同率で最も高く、すべての事業者で「遊技機販売の縛り」と「設備・運営費の増加」が上位となっている。
調査協力を得たホール企業からは、「8月のお盆商戦から月末まで前年を上回る営業となったが、9月2週目以降は農繁期の影響もあり、前年以上に遊技人口が減少し、反動が大きかった。年末に掛けて大きな設備投資はせず、利益率を少しでも抑えたい」(東北・大規模事業者) 、「物価高騰の煽りを受けていると感じる。手当や給与が支給されたであろう日の客入りと、他の日の客入りの差が大きい。娯楽に興じる余裕のなさが客数減少の1番の要因なのではないかと感じるが、こちら側からできる手立てはほとんどないのが現状。余力のある企業同士で、客の取り合いが激化すると考えている」(関東・小規模事業者) 、「プレイヤーの財布事情や景気の不透明度が稼働や玉・コイン単価に反映されており、その影響はこれまで以上に強まっていると感じている」(関東・小規模事業者) 、「他のサービスとの対比で相対的なものかもしれないが、パチンコ・パチスロ自体の魅力が低下していると感じる。物価高への対応として、貸玉の単価を上げるなどしてほしい」(中部・大規模事業者) などのコメントが寄せられた。