「骨格認識システム」で顧客分析も |防犯面強化でサービス向上へ
アミューズメントジャパン2025年2月28日
昨年10月、グローリーナスカの顔認証システム「フェイスコープ」を導入した『スロットまるみつ大橋店』(福岡市)。導入の経緯や活用方法について、同店を運営するひぐちグループの担当者に話を聞いた。
グローリーナスカが提供する「フェイスコープ」は、瞬時に顔を照合し、来訪者を検知する、安心・安全なホール環境づくりに寄与する高精度な顔認証システム。多くの業界大手法人が導入する、確かな性能と信頼性あるサービスだ。
従来の顔認証エンジンでは、マスクやサングラスの着用で顔の一部が隠れたり、明るさなどの認証環境によって精度にばらつきがあるという課題があった。同サービスに搭載した顔認証エンジンは、これまでのアルゴリズムにディープラーニングの手法を加え、目元やおでこ、鼻筋など、マスク・サングラスで隠れない部分の特徴を正確に判断。認証精度を飛躍的に向上させた。
置引きやICカード・ドル箱盗難の犯人、自己・家族申告プログラムの対象者など、顔認証システムを導入していないホールでは、現場にいるスタッフたちが、その人物の顔を覚えておかなければならない。「フェイスコープ」を導入すれば、事前に登録した人物が来店すると、それを検知して発報。その後の通報やスタッフによる声がけの対応が可能になる。
逆に常連客を登録しておけば来店時にコミュニケーションが取れたり、忘れ物に気づかなかった来店客に物品を返却できる、などという使用方法もある。
防犯面強化で導入
すぐに効果を実感
23年12月にグランドオープンした『スロットまるみつ大橋店』は、総設置台数418台のパチスロ専門店。24年10月に「フェイスコープ」の導入を決めた。導入の経緯について、営業設備課の園田和彦課長はこう語る。
「福岡中心部に初出店し、多くのお客様にご来店いただけるようになりました。ですが、それと同時に会員カードの不正利用や抽選の不正など、スタッフが防犯面に手を取られることが多くなってしまったので、防犯面の強化という目的で導入しました」
導入後は、会員カードの使いまわし、朝一の抽選時は移動式カメラを映しながら対応することで不正を抑制。そして同店では、同サービスの効果を実感した出来事があったという。
「『フェイスコープ』導入初日に置引きが発生しました。その実行犯を登録したところ、当日に再び来店し、発報して事前に来店したことに気づくことができました。その後は警察の方に防犯カメラの情報などを共有し、対応してもらっています。今回は店内で起きた出来事でしたが、それに関係ない事件でも警察に協力できることはあると思いますので、地域の安全を守るような活用もしていきたいです」
顧客分析が可能な
「骨格認識システム」
導入前は他社のサービスも検討していたが、グループ店で行った「フェイスコープ」の検証で認証精度の高さを実感。そしてもう一つ、導入の決め手となったのが新たに搭載された「骨格認識システム」による個人分析だった。
「検証結果から、その認証精度の高さが導入の決め手でした。また『骨格認識システム』を使用した、男女や年齢別の属性で顧客分析ができる点も、弊社のニーズと合致していました」
「骨格認識システム」では、来店した同一人物は一日1カウントとし、性別・年齢を推定。また、何時にどこの入り口から入ってきたかも確認できる。総来店者数や年齢層、性別などに分けたダッシュボード、それぞれの詳細を分析したデータも閲覧可能だ。パチンコ営業部の橋本真一課長は「骨格認識システム」での顧客分析の活用法をこう語る。
「大橋店のターゲットは30~40代です。その層の増減が確認できれば、すぐに改善に向けて取り組むことができます。いまは休日により多くのターゲット層に来店していただくため、この顧客分析を活用し、SNS運用や一般景品の品揃え、遊技台の構成などを変えていこうと思っています」
同店が「フェイスコープ」導入によって期待していたのは、防犯面の強化と顧客分析だけではない。導入から4カ月が経過し、安全性の高い店舗を実現したことでサービス向上に力を入れることもできているという。
「安全面を確保し、お客様に不信感を抱かれないお店になったことで、サービス面に力を入れることができます。もちろん目視で確認しなければならない部分はありますが、ある程度はシステムに任せられることで、接客サービスに集中できます。いままでは防犯思考だったスタッフの表情や話し方も変わってきました。お客様とうまくコミュニケーションを図っていけば、明日以降の来店にもつながってくると思いますので、それが顧客分析に紐づいて実現できれば嬉しいです」(橋本課長)
文=アミューズメントジャパン編集部
※月刊アミューズメントジャパン2025年3月号に掲載した記事を、一部修正して転載しました。