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パチンコ業界ニュース

パチンコの稼働アップに何が必要なのか⁉ アミューズメントジャパン2024年8月16日

4円パチンコの高単価化に歯止めがかからない。さらに、スペック面でも画一化が進み、それに伴う顧客の離脱も見られている。現状の停滞感を打ち破るためにはどうしたらいいのか。「単価ラインナップの充実」「コンテンツの力」などがキーワードとして浮かんできた。

周知の通り、パチンコの稼働・客数の減少トレンドが続いている。いわゆる『エヴァ15』『RE:ゼロ』時代と比べれば、ユーザーから支持される機種バリエーションは増えてきたものの、その2強時代より、アウト平均、特に4円パチンコは落ち込んでいる。

4円パチンコの玉利は年単位で上昇し続けた結果、「稼働時間の低下」「時間粗利の上昇」に繋がっている傾向をみると、これ以上射幸性重視の機種ラインナップばかりに偏ってしまうのは如何なものか。

この辺を懸念するホール関係者も多い。

「勝ち負けが二極化するスペックになっているのは明らかで、自店会員の動向をみると、大きな負けが続くとその月には来店しなくなる、あるいはしばらく足が遠のく傾向は確実にある」(東京都・営業部長)

「LT機をはじめとする高射幸機は上位ラッシュに突入、連チャンさせれば爆発力は高いが、その分ファンの勝率が大きく低下している。つまり、逆を引いた場合(ラッシュ非突入など)の負け負担を大きくすることでそれが実現できていることは明らか。出玉性能の高い機種は、業績貢献度が高いものも多いが、中長期的にみると常連の来店回数に悪影響を及ぼす可能性があるため、今後はスペックのバリエーションを増やすなどの対策を検討している」(愛知県・エリア長)

最近では、ラッキートリガー(LT機)が好調ではあるが、このカテゴリーはさらに「MY追求型」で、勝ち負けの二極化が大きい機種が多い。そして今後、各メーカーがLT機の市場投入を続々と予定しているときく。

いつの時代も流行りのスペックが量産され、供給過多になる。画一化が進み、プレイヤーの受け皿がなくなっていく。短期的なホールの粗利貢献は高くても長期的にはユーザーの疲弊が進み、参加頻度なども減少していく。今のパチンコは、まさにこのサイクルに入りつつあるようだ。もちろん、LT機を含めたMY追求型の機種はなくてはならない機種だが、もう少しスペックのバランスを再考し、この悪循環を断ち切っていきたいところだ。

パチンコ回復には「コンテンツの力」も

パチンコの回復に必要なのは、なんだろうか。今年4月にプレイヤー向けアンケートを実施した結果がひとつのヒントになるかもしれない。

設問では「遊技するパチンコを選ぶ際に重視すること」を尋ねた。その結果が以下だ。


この結果をみると、「最も重視する」の回答割合が高かったのが「スペック」だった。どんなスペックを望むのかは、細分化して設問は設けなかったが、「出玉力」を重視するプレイヤーがそこまで多くなかったことを考えると、一概に射幸性だけを求めているわけではないことが分かる。

無視できないのが「コンテンツ」を重視する人の多さだ。「とても重視する」35%、「やや重視する」26%と全体の6割以上が、コンテンツが遊技動機につながると回答している。さらに、この回答者を20代~40代に限定すると、「とても重視する」「やや重視する」合わせて約8割と、その比率は高まっていることがわかる。

近年のパチンコヒット機をみても、もちろんスペックやゲーム性などの要因が大きいのは間違いないが、その話題性からコンテンツ人気が高い機種ほど初動も高くなる傾向なのは多くのホールで実感していることだろう。

これまでパチンコのメインプレイヤーだった団塊世代が離脱していき、団塊ジュニアや30代以下の世代がメインとなりつつあるパチンコ市場では、今後、よりコンテンツの力が重要になってくることが予想される。この世代はパチンコ・パチスロを両方遊技するハイブリットプレイヤーが多いことも特徴で、彼らに刺さる「若年向けコンテンツ」のさらなる拡充もホール活性化に貢献してくれそうだ。

若年層にパチンコを遊技してもらうために

こうして考えると、従来とはやや一線を画したスペック、かつ若年層向けの人気コンテンツをモチーフとした機種に可能性が見出せそうだ。特に若年層ほど、店内でもパチスロとパチンコを行き来するファンが多く、パチスロ一辺倒の施策になりがちなホールほど、さらにパチンコが厳しくなっているのが現実。勝ち負け(勝率)を重視するパチスロファンからすれば、さらなる射幸性の上昇によって、よりパチンコの遊技動機が失われかねない。

近年では2021年から2023年にかけて、超高速時速機一辺倒の時代に『エヴァ15』が長らくファンの支持を集めた実績からも、ややマイルドなスペック帯を好むプレイヤーが潜在的に多い。今後はこうしたスペックの比率を増やしていくことを検討してもいいのではないだろうか。

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