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ハイミドルの主流 「ロングST 時短付き」を見逃すな アミューズメントジャパン2023年10月30日

新規則機の出玉性能の差異の大きさから、2020年秋以降はパチンコとパチスロの業績格差が広がっていった。新規則機時代に完全突入した22年以降は、それに拍車がかかった。

しかし6.5号機やスマスロのヒット機種が登場したこともあり、今年になってパチスロの業績が回復。パチンコ・パチスロの粗利構成比は急激に縮まっている。それでも台数シェア・粗利シェアでみれば、まだパチンコが6割超。ホールの業績を支えるには、パチンコの業績をいかに維持・向上させるかが重要であることは間違いない。

パチンコの中心といえば、当然ハイミドルスペックだ。パチンコは全盛期と比べて稼働面がやや落ち込んでいるものの、スペック別の稼働を見るとハイミドルカテゴリーは順調に推移している。台数シェアでも4円パチンコのうち約60%がハイミドルと業績へのインパクトが大きいカテゴリで、そのシェアは今後も拡大していくと考えられる。年末の遊技機ラインナップをみても、メイン機は当然ながらハイミドルでリリースされるため、このタイミングでの機種セレクトは非常に重要になってくる。

年末にはビッグタイトルが控えるも
ネームバリューだけのチョイスは危険

では、どのような機種をセレクトすべきか。ここで現状のハイミドル市場について少し考察してみたい。21年から23年のハイミドル機種の市場での動きをまとめたのが表1だ。特徴的なのはTO時間・TO滞在率の減少だ。『P大工の源さん 超韋駄天』のヒットの流れを受け、21年以降はスピード追求型の機種が多くリリースされるようになったことも影響したのだろう。

そんな中、登場以降で圧倒的な稼働支持を続けてきた『新世紀エヴァンゲリオン~未来への咆哮~』(エヴァ15)はTO時間・TO時間滞在率ともに、23年のハイミドル平均の約2倍。出玉スピードという点では及ばないものの、スピード特化型ばかりの市場で「大当たり時間を長く楽しめる」という点が支持されたことが想像される(図表1、2)。


『エヴァ15』の登場以降、スピードや一撃性を追求したいわゆる両機種とは違った強みを持った機種も市場に登場したものの、むしろ稼働・粗利貢献度が高かった機種を振り返ってみると、スペック面では『エヴァ15』に近いスペックだった。直近で言えば京楽産業.の『スマートぱちんこ ソードアート・オンライン』のヒットが記憶に新しい。導入から6週を終えた時点での期間平均アウトは3万5000個を超え、累計粗利は50万円を超えた。同時期の話題機だった『PF機動戦士ガンダムSEED』の陰に隠れていたDaiichiの『P真・一騎当千~桃園の誓い~』も、稼働貢献10週を超え、累計粗利は60万円を突破するスマッシュヒットとなったが、こちらも「ロングST・時短付き」のスペックだ。

今年8月に一般ユーザーへのアンケートを行い、「今後、どのようなスペックの機種を打ちたいか」を尋ねたところ、やはり「エヴァタイプ」の支持率が圧倒的に高かった(図表3)。これをみても、やはり「ロングST・時短付き」の機種がしばらくは王道スペックとして支持されていくと予想される。

年末には『ぱちんこ シン・エヴァンゲリオン Type レイ』が控えている。このほかにもビッグタイトルのリリースも予定されているが、ネームバリューだけではなく、しっかりと「今の市場・トレンド」に沿った機種なのかを見極めることが、今後のハイミドルで業績を高めるポイントになっていくはずだ。

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