パチンコ核に1万3000平米超の複合商業ビル開業
アミューズメントジャパン2023年3月31日
区画整理事業が進められている小田急線向ヶ丘遊園駅(神奈川県川崎市)の北口エリアでホール3店舗を運営していた銀座ホールディングス(同市)は、ホール3店舗を統合し複合商業施設『ギンザフォレスト』を竣工。4月1日の開業に先駆けて、3月30日に内覧会を実施した。
同施設は7階建て。1階から3階が商業施設で、4階から7階が賃貸マンション。区画整理事業を機に周辺地域がさらに発展していくことに貢献したいとの思いから、地域のニーズも汲み、複合商業施設とした。
賃貸マンションは全60部屋。部屋タイプは30平米(9万5千)から78平米(24万5千円)。駅前という好立地に加え家賃を相場より低めに設定したことから、募集開始から3週間で満室になった。
「地域の人にとって便利な施設になるよう、さまざまな仕掛けをしたので、地域の人に支持される施設にしたい」と倉方規安社長が語るように、誘致テナントの選定には、地域住人からのニーズを考慮した。北口エリアに百円ショップとカフェがなかったことから、1階に『Can Do』と『三本珈琲店』を誘致。地域からの要望の声が大きかった『クスリのナカヤマ薬局』も1階に誘致した。「飲食店がないと地域が盛り上がらない」という考えから、3階に居酒屋などを複数誘致した。他には、フィットネスジム、ゴルフ練習場などが入る。
地域からのニーズが高い業種の誘致のため、既存3店舗を統合したパチンコホール『ギンザホール707』は2階に配置した。総設置台数は多摩区最大の707台。内訳は、4円パチンコが357台、1円パチンコが84台、20円パチスロが266台だ。まずは地域住人に遊んでもらえるよう、オープン直後の抽選は地域住人を優先して行うという。
新台入れ替え等の情報は、SNSのほか施設正面のサイネージを使って発信していく。サイネージでは、地域の情報も発信。地域の人たちがサイネージを活用しやすくするため、半年間無料で広告配信を行うキャンペーンも実施している。
同社の直営店はパチンコの他に、ダイニングバー『竹に雀』とコミュニティスペース『白いハコ』。『竹に雀』はカウンター中心の和食ダイニングで、16時半から22時半まで営業。客単価は5000円を想定している。『白いハコ』は地域住人に会合やワークショップなどで使用してもらうことを想定したイベントスペースで、最大30人収容できる。一般的にパチンコホールは飲食店を併設することが多いが、「このビルの中に飲食店は十分ある」という考えからホールのある2階に飲食施設はない。
『ギンザホール707』の開業は4月下旬を予定しており、当初は徒歩やバイクでの来店を想定。今後周辺の駐車場が整備され次第それらと提携し、クルマで来客する層へと商圏を広げていく考えだ。
休業期間があったため、地域住人に認知してもらうための広告宣伝には予算を投じる考えで、ポスティングは北口エリアのみならず南口側の多摩区以外のエリアにも実施する。さらにアドバルーンも検討しているという。
4月15日には、複合商業施設としての開業イベントを企画しており、地域住人によるマルシェが行われるほか、『白いハコ』でアコーディオン演奏会などを実施する。『白いハコ』の利用方法を地域住民に理解してもらう良い機会になりそうだ。