遊技産業未来研究所セミナー 2022年の総括とスマスロ運用を解説
遊技通信2022年12月26日
遊技産業未来研究所の定例セミナーが12月22日、リモートで開催され、PRC代表の中田藤生氏、ワクワクランド代表の涌嶋士郎氏、同研究所代表の中野忠文氏が講演した。
「2022年の総括と2023年の業界トレンド考察」をテーマに講演した中田氏は、「店舗数は4年前の1万60軒から現在は6925軒にまで減少している。遊技機の設置台数も大幅に減少するなど未だ底は見えない状況なので、来年以降も店舗の減少は継続する見込みになっている」と述べた。また、パチスロは、6.5号機の登場やスマートパチスロの導入が開始されたことで光明が見え始めたものの、これまで好調だったパチンコは、それを補填するために玉単価が上昇しており、稼動は反比例で減少傾向にあると指摘。こうした状況をうけて中田氏は、「当面は来春に登場予定のスマパチよりスマスロの導入が最優先になり、パチンコはパチスロの収益をカバーするための利益優先運用がトレンドになる。大手はスマスロに積極投資し、薄利営業で若年層をターゲットにした店舗作りに力を入れてくると思うが、中小は投資を抑制して現状を維持するか、低価貸し専門の業態転換など高齢者層をターゲットにした営業計画を立てていく必要がある」と呼びかけた。
涌嶋氏は、「スマスロと6.5号機の的確な取捨選択方法」をテーマに講演。6.5号機は有利区間が最大4000Gに延長された点に優位性があったが、有利区間の上限がないスマスロは、高設定域で高い出玉性能を発揮し、有利区間G数に左右されないモード移行システムも実現可能になることから、スマート遊技機の特徴を生かした新機種の登場に期待感を示した。また、スマスロの注目機種としてコナミアミューズメントの「S戦国コレクション5」をピックアップし、エンドユーザー向け訴求ポイントやホールの運用ポイントを解説した。
第三部では中野氏が「スマスロ導入によるパチンコへの影響」を解説。パチスロは売上・粗利が微増したが、スマスロはまだ5〜6万台程度の導入ためパチスロ全体に大きく影響しなかったものの、パチンコは稼動・台粗利がともに低下したことで店舗全体の利益額が減少している可能性もあると指摘した。機種個別に見た場合の懸念点として「パチンコの新台は、その多くが高粗利で推移した一方、既に定着した機種は低めの粗利で運用されたことで、新台の運用が厳しいものになっている。新台の多くが『使い捨て』に近い運用となっているので、長期稼動が難しくなっている」と延べ、新台の稼動を下げないためにも双方の適正な運用を呼びかけた。