横浜IR産業展 IR事業者6社が出展
アミューズメントジャパン2020年1月31日
1月29日・30日にパシフィコ横浜で開催された「第1回 横浜統合型リゾート産業展」(横浜統合型リゾート産業展実行委員会主催)にはラスベガス・サンズ、メルコリゾーツ&エンターテインメント、ギャラクシー・エンターテインメント・グループ、ゲンティン・シンガポール、ウィン・リゾーツ、セガサミーホールディングスの6社が参加。ブースを出展とセミナー会場でのプレゼンテーションで日本への取組をアピールするとあって、多くの来場者が訪れた。この6事業者はいずれも、横浜市が昨年12月23日を期限にして実施したコンセプト提案募集(RFC)に提案書を提出している。
初日の午前中に行われた特別講演で横浜市の平原敏英副市長は、世界における日本の地位が相対的に低下しているとした上で、横浜市についても人口減少に転じた、宿泊者数の伸びが全国平均を下回っている、観光来街者の87・3%が日帰りであり1人あたり観光消費額が少ないなどの課題を説明。この現状を打開するのがIR誘致による「ハーバーリゾート」の形成であるとIR誘致の意義を訴えた。
平原副市長は、市民が懸念しているギャンブル等依存症対策にも言及し、IR内カジノにおける入場管理・規制、自己申告・家族申告制度、市としての取組としての予防教育の実施、専門医療機関の選定などを説明した。
ブースを出展した6事業者のプレゼンテーションでも最も多くの注目を集めたのは、唯一の日本企業、セガサミーホールディングス。会場内は満席で、壁際や後方も立ち見の聴衆で埋め尽くされた。
セガサミーホールディングスの里見治紀代表取締役社長グループCOOは、横浜市の抱える課題を踏まえ、横浜IRを「世界の観光客から選ばれる滞在型目的地」にするとし、IRに集めた観光客を横浜市内の各拠点(商業施設、エンタメ施設、美術・文化施設、観光地、宿泊施設)につなぎ、横浜市内に長く留めることを宣言。3つの事業パートナーを紹介した。カジノができることによる負の影響への対策としては、2017年から京都大学と共同でギャンブル依存症の予防策の研究に取り組んで切ること、カジノ施設内ではテーブルゲームのデジタル管理・監視化により不正を排除すること、同社がすでにネバダ州で厳格な背面調査をパスして製造業者ライセンスを得ていることなどを説明した。
同社のプレゼンテーションについてマカオ大学のジョージ・ゴディーニョ教授(ゲーミング法)に感想を尋ねると、「どのオペレーターのプレゼンテーションも素晴らしく、甲乙をつけることはできない」と前置きしたうえで、「セガサミー社のプレゼンテーションは、豊富なIR運営実績をアピールした他社とは異なるアプローチという意味で個性的で、需要予測の取組や依存予防研究などサイエンティフィックな印象を受けた」と述べた。
IR産業展にはIR事業者の他、入退出管理、セキュリティー機器、映像機器など39社がブースを出展。来場者は2日間で延べ9631人だった。