警察庁保安課長が「依存防止対策」など7点要請
グリーンべると2019年6月20日
警察庁生活安全局保安課の山田好孝課長は6月18日に都内で開催された一般社団法人日本遊技関連事業協会(庄司孝輝会長)の第30回通常総会の中で行政講話を行い、「業界の健全化を推進する上で特に必要であると考えていること」として、7点について言及した。
(1)ぱちんこへの依存防止対策について
(2)射幸性の抑制に向けた取組について
(3)検定機と性能が異なる遊技機の問題について
(4)遊技機の不正改造の絶無について
(5)遊技機の流通における業務の健全化について
(6)ぱちんこ営業の賞品に関する問題について
(7)広告・宣伝等の健全化の徹底について
(1)のぱちんこへの依存防止対策では、ギャンブル等依存症対策推進基本計画の中で掲げられた業界が自主的に取り組むべき対策について言及。日遊協を中心に進めている、本人の同意のない家族申告による入店制限については、「家族が申告しやすいものとするなど、制度導入後にしっかりと機能するよう留意していただきたい」と要望した。
また、18歳未満の可能性があると認められる者に対する身分証明証による年齢確認の原則化については、「こうした取組が行われなかったために、客として18歳未満の者を立ち入らせた事実が認知された場合には適切な取締りを行う必要があるものと考えている」とした。
ATM等の撤去等については、ギャンブル等依存症対策推進関係者会議の中で複数の委員から出された「ATMを撤去してもらいたい」などの発言を列挙し、業界として基本計画に基づく取組の推進を求めた。
(2)の射幸性の抑止に向けた取組では、「特に高い射幸性を有する区分した回胴式遊技機」の設置比率を15%以下とする削減目標の延期に触れ、「自主的に決定した削減目標が着実に達成されるよう、業界全体として真摯な取組を進められることを期待している」とした。
(3)の検定機と性能が異なる遊技機の問題では、遊技くぎを曲げて検定機と異なる性能を創出する事案がいまだに継続して発生している、と指摘した。
(4)の遊技機の不正改造の絶無については、主基板ケースやかしめに不正改造の痕跡を残さず、外見上不正改造の発見を難しくしたとみられる事案などを挙げ、「ますます悪質巧妙化している」と指摘。業界全体で効果的な施策の推進を要請した。あわせて、一般社団法人遊技産業健全化推進機構の役割を強調し、推進機構への支援等を要望した。
(5)の遊技機の流通における業務の健全化では、特に「製造業者遊技機流通健全化要綱」等の制度について、遊技機の流通に携わる関係者が正しく制度を理解するための取組を継続するよう求めた。
(6)のぱちんこ営業の賞品に関する問題では、「賞品買取事犯の根絶」、「賞品の取りそろえの充実」、「適切な賞品提供の徹底」の3点を要請した。
(7)の広告・宣伝等の健全化の徹底では、「特定の日に特定の遊技機を示し、イベント開催を告知して射幸心をそそるものや、隠語を用いて規制の目をかいくぐろうとするような悪質な事案がいまだに発生しており、非常に残念」と指摘。その上で、業界自らの取組によって健全化が進められるよう要請した。
また、山田課長は講話の最後に、「ぱちんこへの依存防止対策等の各種課題は山積しているが、業界が一丸となって、一つ一つ迅速かつ真摯に対応していただきたい。その実現なくしてぱちんこは健全な遊技たり得ない」と指摘したほか、「健全化を含む各種課題に真摯に対応する皆様から要望等があれば、我々も真摯に耳を傾ける所存」と結んだ。