余暇進、3月度部会で早野慎吾教授が講演 5年にわたるギャンブル依存症大規模調査を報告
遊技日本2026年3月31日
余暇進は3月10日、令和8年3月度理事会・部会を大都販売本社会議室およびオンラインで開催した。約110名が参加し、都留文科大学文学部教授で書籍『社会学からみたギャンブル依存症 そんなにパチンコが悪いのか』の著者である早野慎吾教授を講師に迎えた講演会が行われた。
講演のテーマは「社会学からみたギャンブル依存症 ―5年間のパネル調査より―」。早野教授は2020年から5年間にわたり実施した大規模な追跡型パネル調査の結果を報告した。ギャンブルの定義や、公営競技とパチンコの違いについて平易に解説した上で、依存傾向の種目別実態をデータで明らかにした。
講演ではまず、2013年の厚生労働省調査で「ギャンブル等依存が疑われる人の割合が4.8%(約536万人)」とされ、パチンコ・パチスロが主な要因と報じられた点を振り返った。これに対し、業界からは調査手法や数値の妥当性に疑問の声が上がっていたと指摘。2017年の調査で同割合が0.8%に低下した理由として、診断基準の運用方法の違いを挙げ、2013年調査では過去の経験者も含まれていた可能性があるとした。
早野教授はSOGSやPGSIなどの指標を用いた追跡型のパネル調査を実施し、種目別の依存傾向を分析。その結果、宝くじは依存割合自体は低いものの、参加人口の多さから人数ベースでは依存が疑われるケースが相対的に多くなる傾向が確認された。一方、パチンコについては生涯経験率が高い一方で、現在も継続している層は限定的であることが明らかになった。各ギャンブルの利用形態や参加動機の違いがこうした結果に影響していると分析した。
また、ギャンブル依存症への関心が高まる中、問題は依存の有無にとどまらないと指摘。資金の流れや制度管理の観点から、オンラインカジノを例に違法・無許可のサービスを通じた不透明な資金流通や反社会的勢力への流入リスクを挙げ、適切な制度のもとで管理されることの重要性を強調した。
このほか、公営競技とパチンコの還元率の違い、日本における賭博文化の歴史、射幸心の位置づけについても言及。パチンコがギャンブルの中で「行為者の関与(技術介入性)」を伴う点が、参加者の認知や行動に影響を与える要因として示唆的であると述べた。