平和、パチンコ部門が好調に推移 高利益率と原価低減で大幅増益
グリーンべると2025年5月15日
平和は5月14日、2025年3月期(2024年4月〜2025年3月)の連結決算を発表した。売上高は1,458億6,700万円(前期比7.0%増)、営業利益は276億9,000万円(同18.2%増)と増収増益を確保した。一方で、純利益は130億6,400万円(同21.4%減)となった。
遊技機事業では、パチンコ機の販売が好調に推移した。主力タイトル「Pルパン三世 ONE COLLECTION」や「P戦国乙女7 終焉の関ヶ原」などが市場投入され、販売台数は5万5,000台(前期比2万6,000台増)と大幅に伸長。人気IPとの連携と、LT(ラッキートリガー)をはじめとした新スペックが奏功した。
一方、パチスロ機は「L ToLOVEるダークネス」や「Lルパン三世 大航海者の秘宝」などを展開したものの、販売台数は5万台(同1万4,000台減)と減少した。投入時期の競合重複などが影響したとみられる。
利益面では、パチンコ機の販売増加に加え、高利益率のゲージ盤販売や、部品リユースによる原価低減の取り組みが寄与。遊技機事業全体では、売上高454億9,900万円(同13.3%増)、営業利益118億5,800万円(同71.4%増)と、大幅な増益を記録した。
同社は今後も、中期経営計画「2027」に基づき、遊技機の販売シェア拡大と業績の継続的な向上を図る方針を示している。プレーヤーのニーズを捉えた商品投入を継続しつつ、収益性を高める原価低減策やラインアップ強化を進め、パチンコ・パチスロ両市場での存在感を強めていく構えだ。
ゴルフ事業では、既存施設のブランド化や設備投資に加えて、2025年1月にアコーディア・ゴルフをグループに加える大型M&Aを実施。これにより、同社グループのゴルフ場保有数は321カ所となり、世界最大級の運営体制が整った。売上高は1,003億6,700万円(同4.3%増)と堅調だったが、気象要因や人件費上昇により、営業利益は184億5,000万円(同4.2%減)となった。なお、アコーディアの業績は2026年3月期より連結に反映される。
なお、2026年3月期の連結業績見通しは、売上高2,959億円(前期比102.9%増)、営業利益580億円(同109.5%増)、純利益231億円(同76.8%増)と、いずれも大幅な増加を計画している。これは、アコーディア・ゴルフの通期寄与に加え、スマート遊技機市場の拡大と大型IP機種の投入を見込んだもので、同社は遊技機・ゴルフの両事業におけるシナジー最大化と収益性の向上を掲げ、成長加速に向けた戦略を本格化させる構えだ。