ポイ活で来店動機創出&地域活性化|『カナエ~ポイトレウォーク~』
アミューズメントジャパン2023年12月14日
パチンコホールへの来店動機として、ポイ活を取り入れたまったく新しいサービスが本格的にスタートした。ピットアースが運営する『カナエ~ポイトレウォーク~』がそれだ。店舗への来店動機の創出に加えて、店舗周辺の地域活性化にもつながるプロモーションの手法を取材した。
ピットアースは11月23日の祝日、『カナエ~ポイトレウォーク~』(以下、ポイトレ)を周知するイベントを千葉県のJR千葉駅周辺で開催した。協力したのはポイトレの参加店舗でもある『ピーアーク千葉駅前』。多層階店舗の1階入り口付近に受付を設置して、ピットアースのスタッフが通行人にポイトレのパンフレットを配布して参加を呼びかけた。
参加者とともにポイトレを体験したのは、YouTubeチャンネルの登録数16万を誇る人気ユーチューバーのメガカスやーまんさん。午前と午後の2回に分けてイベント参加者とともに飲食店など近隣の協賛店を巡った。
ポイトレはスマートフォンの位置情報を利用したポイントサービス。マイホに登録したホールの協賛店になっている飲食店や公共施設、アミューズメント施設など特定スポットでポイントを獲得できる。この日は『ピーアーク千葉駅前』周辺の飲食店5店舗をやーまんさんとともに巡って、参加者に利用方法をレクチャー。この日限定の「ユメラリー」5店舗のスタンプをコンプリートした報酬として参加者にはアニメのキャラクターが描かれたトレーディングカード(トレカ)がプレゼントされた。
新顧客創出と自店客囲い込み
ピットアースがポイトレの検証テストを始めたのは2021年10月。事業企画部の担当者はこのシステムの開発に至った背景をこう話す。
「集客のためには広告宣伝が必要不可欠ですが、ホール様は広告宣伝に関する規制を遵守しなければなりません。そうした中、脱法性がなく、本当にクリーンな集客方法がないかと考えて、このサービスを構築してきました」
ポイトレはユーザーが無料で使えるWebサービス。ユーザーはまず、Webサイト上のポイトレのサイトから会員登録をする。その際、マイホに登録できるのは参加店舗のうちの1店舗のみ。その後、登録したホールの周辺にある飲食店などの協賛店舗や公共施設などのスポットに足を踏み入れるだけでポイントが貯まる。
「新しい顧客の創出と、自店客の囲い込みというホール様の課題に応えるサービスを目指しました。CSR活動で店舗近隣の清掃をしたり、地元の意飲食店などの情報を店内で案内したりされているホール様もあります。店舗の近くで生活されている方を大事にしていくことを重視しました」(担当者)
申請から15日後に商品受取
貯まったポイントの使い道は2通り。「トレカガチャ」にチャレンジすればパチンコ・パチスロのキャラクターカードがもらえる。受取場所は登録したマイホ。ポイントの使用で獲得した商品を、15日後から店舗で申請IDをスタッフに提示することで受け取れる。
ポイントの発行者はピットアース。参加店舗にはピットアースから週に1回、1週間分の申請商品が送付される。遊技機に使用されている版権を使用したトレカのキャラクターは3カ月ごとに新しいキャラクターに更新される。
ピットアースではポイトレの認知促進のための施策も用意している。そのひとつが「QR型トレカデジタルガチャ」。参加店舗専用のQRコード付きポスターを店内に掲示し、簡単な会員登録で3枚1セットのトレカガチャを購入すると、その場でトレカを受け取れる仕組みだ。ガチャの売上は店舗にも分配され、マイホの登録数増加などの効果も見込める。
受取者の45%が新規来店客
ピットアースは2022年7月から8月にかけて、神奈川県内の1000台クラスのホールでポイトレのロケテストを実施した。その結果、マイホ登録者数は312人、商品受け取り人数が1カ月で89人。トレカを受け取りに来たユーザーのうち既存顧客が55.4%、新規来店客が44.6%だったという。ポイトレが既存の来店プレイヤーだけでなく、商圏に住むノンプレイヤー獲得の可能性があるサービスであることがわかる。
担当者は今後についてこう語る。
「ポイトレはトレカや商品を直接店舗に受け取りに来ていただくシステムなので、お客様に確実に来店していただく動機付けができます。実際、受取の際に遊技していただけたり、接客のきっかけになったりという参加店舗様の声も多数届いています。商圏全体を盛り上げる効果も含めて、参加店舗様のお役に立てるように、サービスをブラッシュアップしながら展開していきたいと思っています」
文=アミューズメントジャパン編集部