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パチンコ業界ニュース

店舗数が減少しても改善しない「人材不足」 求職者の本質を見極めるための採用手法 遊技通信2023年2月20日

「右肩下がり」と言われて久しいパチンコ業界。いつからそうなったのかを紐解いてみると、1995年にまでさかのぼります。

この年のホール店舗数は1万8244軒(警察庁発表)。1990年の規則改正によってバリエーション豊かなパチンコ機が登場し、ゲーム性や連チャン性の高い機種が人気を集めたこともあって、微増を続けていました。しかし、業界全体で射幸性を抑える動きがあり、ここから店舗数は減少の一途をたどることとなります。一度も前年を上回ることなく、2021年には8458軒と、30年足らずで半分以下に落ち込んでしまったのです。

一方で、パチンコ業界は「慢性的な人材不足」と言われています。店舗数の減少と合わせて考えると、「おやっ?」とならないでしょうか。閉店や廃業があれば失業する人がいるわけで、「そういった人たちを別のホール企業が採用すれば、“慢性的な人材不足“にならないはず」と。まさしくそのとおりなのですが、実際は会社都合によって失業した人の多くが別のホール企業に就職せず、他業界に行ってしまうのです。
では、なぜそうなってしまうのでしょうか。失業者側、採用する企業側、両方の立場から考えてみたいと思います。

業界で働きたい気持ちがあっても別業界に転職する人の特徴

まずは、失業者側。閉店や廃業は、経営者の判断によって起こるものです。従業員個人の責任ということはまずありません。大抵は、ある日突然、その事実を知らされるわけです。寝耳に水、頭は真っ白という状態でしょう。そして、気持ちの整理がつかないまま、解雇に…。

閉店の場合はチェーン店に異動となることもありますが、今までと同じ待遇というのはほぼ不可能です。異動先にも役職者がいますから、元店長が店長として働けるわけがないのです。したがって、降格と減俸が当たり前。かなり厳しい待遇の提示なら生活出来なくなることが目に見えますから、やむなく退職届を出すことに…。

解雇になったとしても退職届を出したとしても、職を探さなければならないことに変わりはありません。そして、経緯が経緯ですから大抵はネガティブな感情に支配されることになります。「自分にもっと能力があれば閉店しなかったかも」「どうせ俺なんて」といった感じです。

そんなマインドで就職活動をしても、なかなかうまくいかないもの。別のホール企業の面接で落ちたりすれば、さらに気が滅入ってしまうことでしょう。パチンコ業界で働きたい気持ちはあるのにうまくいかず、最終的には別の業界に落ち着く人が多々いるわけです。

会社都合による退職者のマインド傾向を抑える

では、採用する企業側はどのように考えているのでしょう。

人材が欲しくて募集をかけているわけですから、ホール経験者は魅力的に映ります。とはいえ、誰でも良いわけではなく、出来る限り良い人材を採りたいと考えるわけです。

退職を余儀なくされた求職者は、前述のようにネガティブ思考で面接にやってきます。となると、採用担当者は「自信がなさそうだな」「能力がないのか」などと肌で感じてしまい、「だから閉店に追い込まれたのか」と無意識のうちにニアリーイコール(≒)で結び付けてしまうことが珍しくありません。

結果、人材は欲しいが、この人は自社に合わないと判断し、残念な通知を出すことになるのです。今はネガティブ思考ではあるものの、実は優秀なスキルや将来性に期待出来るポテンシャルの持ち主かもしれないのに。また、採用を決定したとしても、面接がネガティブな印象で終わったと求職者が自覚している場合には適正な条件と感じられず、辞退してしまうこともあります。こうして、求職者も採用企業も、知らず知らずのうちに不幸な道を選んでしまうのです。

求職者の本質を見極めることで企業の人材不足は解消していく

では、どうすればお互いに幸福になれるのでしょうか。

まず失業者側ですが、自分を過小評価しすぎるきらいがあるので、もっと自信を持たなくてはいけません。私を含め当社のキャリアアドバイザーは必ず、前職でどんなことをしていたかを事細かに訊きます。「パチスロで設定を任されていた」という答えなら、それだけでは人材を欲している企業へのアピール力に欠けますから、より具体的に話してもらうのです。

閉店を余儀なくされた店の設定担当者ですから、口は重いのですが、よくよく聞くと「現場視点から常連様の動向を把握し、設定のメリハリをつけながら、再来店比率を高めていた」といったエピソードが出てくるもの。これは立派なスキルですから、「自信を持って、面接時に話してください」となるわけです。

一方で、採用する企業側は、求職者がネガティブ思考であることを理解し、寄り添う気持ちが重要。未経験者を採用するより、経験者を採用するほうがハードルは低いですし、入社後の教育コストも少なくてすみます。したがって、キャリアアドバイザーほどではないにしても、求職者の長所を探し、モチベーションを高めてあげ、ネガティブな感情を取り除いてあげることが必要と言えるでしょう。求職者の本質が見えれば、内定を出す頻度も増えるはず。人材不足も解消していくことでしょう。

今回は、双方の立場から考察してみました。昨今は悲観的な話題が少なくなく、ネガティブなマインドになりがちです。だからこそ、ポジティブな要素を見出していくことが必要なのではないでしょうか。

筆者紹介:嶌田堅一(しまだ・けんいち)

キャリアコンサルティンググループ
マネージャー

大学卒業後、㈱パック・エックスに入社。人材紹介事業を10年以上経験、国家資格キャリアコンサルタントを取得。これまで2000人以上の支援を行っている経験・実績豊富なアドバイザー。

 

 

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