困っている人を元気に
アミューズメントジャパン2019年10月7日
「世の中の困っている人が元気になれるお手伝いなら、何にでもチャレンジしたい」との想いから、”ほほえみ“をサポートする取り組み『ほほえみサポートプロジェクト』を発足したニューギングループ。東北の被災地を支援する「Buy!TOHOKUプロジェクト」や、障がい者自立支援施設のサポート、飲酒運転撲滅プロジェクト「SDD」、東日本大震災の被災者を応援する「福魂祭」など、さまざまな社会貢献活動に取り組んでいる。今回は2019年に支援した3つの取り組みを紹介する。
慶次コラボ「震えるほど感動」
東北の特産物などを業界関係者に提供・普及させることで被災地企業の復興を支援する「Buy!TOHOKUプロジェクト」への参画は今年で9年目を迎えた。
今回コラボしたのは宮城県気仙沼市の蒲鉾の生産加工会社「三陸フィッシュペースト」。同社は、宮城県にある老舗蒲鉾店、及善商店(南三陸町)の及川善弥専務取締役と、かねせん(気仙沼市)の斎藤大悟専務取締役の若手経営者2人が設立した。
及善商店と、かねせんはともに東日本大震災で被災。店舗は津波で流され土台しか残らないなど、大打撃を受けた。その後、2社ともに営業を再開。被災地企業を支援する世の中のムードも手伝い順調に回復したかに見えたが、数年前から業績が振るわなくなっていた。
「被災特需が終わったことや、蒲鉾は保存期間が短くおみやげとしての扱いが難しいこと、蒲鉾の若者離れが進んでいることなど問題は明確でした」と三陸フィッシュペーストの及川社長は語る。
ニューギングループがコラボしたのは、同社が製造する常温保存が可能なかまぼこ「旅するかまぼこ(うまうま牛たん)」「ほたての」の2種。特筆すべきは商品の保存期間の長さだ。一般的な蒲鉾の保存期間は7日程度、真空パックで15日程度と短い。同社製品は「加圧加熱殺菌」技術により、常温で180日間保存が可能になった。保存期間を理由にこれまで敬遠していた販売店も取り扱ってくれるようになったほか、パチンコホールの景品としての導入も期待されている。
Buy!TOHOKUプロジェクトの岩本富貴実行委員長は、「支援していただく側も、一過性の打ち上げ花火のように捉えるのではなく、本当の意味で復興につながる、販路の確保・拡大につながるための一助にしたい」と語るなどプロジェクトの拡大に意欲を示す。
三陸フィッシュペーストの斎藤副社長は、「お話をいただいたときに、こんなことがあるのかと震えるほど感激しました。このかまぼこを食べて、笑顔になっていただければ」とニューギングループへの感謝の気持ちを伝えた。
コラボ製品は計1万3000セットを用意。花の慶次パッケージにして「花慶の日2019」の来場者や全国のホールへのノベルティとして利用される。
障がい者に働く自信と誇りを
ニューギングループは、静岡県浜松市の特定非営利法人トータルケアセンターと協力して、障がい者支援施設が生産する製品や技術サービスを人気機種などとコラボすることで社会に広く認知してもらう活動を2015年から行っている。
今年は社会福祉法人復泉会(浜松市)が展開するオリジナルブランド「KuRuMiX(くるみっくす)」が製造する地元産の果物で作った果汁飲料とコラボ。ゆずレモン、レモン、青みかんの3種各4000本を製造、2種各1本のセットで計6000個をホールへのプレゼント品として配布する。
復泉会のジュースの特徴は、濃縮還元せず添加物を使わないこと。ジュースは通常、年間を通して生産できるように、絞った果汁の水分を4〜6倍まで濃縮して冷凍保存を行い、使うときに水を加えて元の濃度に還元する。だがこの製法は還元する過程で味が変わったり、味が飛んでしまう。KuRuMiXでは農家から旬の素材を仕入れてジュースを製造。そのため、年間を通して安定供給できない商品ばかりだが、その分品種による酸味や糖度の違いを楽しめるジュースを生産している。
コラボについてKuRuMiXの永井昭理事長は「障がい者が働くことで安心して暮らせる状況を作るのが事業所の努め。コラボによって、その目標に近づけたと感謝している。また、全国のホール様に商品を知っていただく機会を得ることができたのは大きなこと。今回の仕事を通じて、利用者の皆が自信を持ってくれれば次につながる」と語った。
熊本地震被災地を独自支援
2016年に発生した熊本地震の被災地企業を支援する独自プロジェクト『ファイト!くまもと』の第2弾は、熊本市内の老舗菓子メーカーくまもと菓房とのコラボ。同社が製造するゼリー菓子「芦北のデコポンゼリー」をニューギンオリジナルパッケージにして全国のホールに届ける。
くまもと菓房は1950年創業のお菓子専門店。熊本県産の素材にこだわったお菓子作りが特徴で、和菓子から洋菓子までさまざまな商品を販売している。同社は本社が震源から近く、社内の壁が崩れ落ちたり、フロア全体が水没するなど大きな被害を受けた。
当時の状況をくまもと菓房の布井営業本部長は「食品会社ですので衛生管理や安全管理は必須。ですが配水管の破裂により、天井などが腐食するなど衛生面が担保できない状況に陥った。少なくとも1カ月ほど製造ができませんでした」と話す。
地震で県の観光資源である阿蘇と熊本城が深刻な被害を受けた。阿蘇は今なお通行止の区間があり、熊本城は復旧までに20年ほどの歳月が必要だという。こうした現状から、震災後は観光客数が減少。観光客への販売が落ち込み、多くの企業が販路の確保に苦戦を強いられている。
コラボについて布井営業本部長は「ありがたいことに、全国のホール様に当社製品を手に取っていただける機会を得ました。商品の認知度を高めることは、販路を確保する上で大変大切なこと。この縁を大事にして、商品づくりに励みたい」と感謝の意を述べた。
ニューギン販売熊本営業所の平山所長は、「ニューギングループは長年被災地支援をしてきたが、自分自身が被災したことで本当の意義がわかった。被災地支援は続けることが大切。また、この活動は遊技機を購入してくださるホール様と、遊んでくださるパチンコファンの皆様のおかげで成り立っている。改めて感謝したい」と話した。