ダイコク電機が全国セミナー、業績向上のための直近の戦略を提案
遊技通信2019年6月13日
ダイコク電機は5月22日の福岡会場を皮切りに、全国4会場で「業界に革命を引き起こせ! すべての解はビッグデータの中に」と題したセミナーを開催。DK-SIS統括室の成田晋治上席講師と服部祐治上席講師が講師を務めた。
冒頭、大上誠一郎代表取締役社長が挨拶し「AIは単に業務効率化だけでなく、人手不足や働き方改革の対策としても大きく期待されている。新しい技術を業界にとり入れて業務改革を推し進めていくには、店舗でAIやビッグデータを簡単に使いこなせることが重要なポイントだと弊社は考えている」と述べた上で、新型ホールコンピュータ「X(カイ)」を紹介。「ダイコク電機がSISを始めて間もなく30年が経とうとしているが、令和の時代もこの取り組みを継続するとともに、さらに新たな価値を提供していくことを約束したい」と語った。
セミナーでは、新規則機時代に突入する2021年1月末までの遊技機の大量入替の前に、旧基準のパチスロ主力機が数多く撤去される年末までの対応が業界の大きな問題になるとして、直近にとるべき短期戦略を提案。6号機で使える機種の活用、消費税増税で貸しメダル料金の引き上げを実施する際のポイント、設定付きパチンコの活用の3つに焦点をあてて説明した。
まず6号機で使える機種のポイントとして、①初日アウト2万枚以上(SISデータ)、②設定1のコイン単価2.8円未満(モードSIS)、③MY単価850以上(モードSIS)、④客遊技時間1時間40分以上(Fan-SISデータ)、⑤初日稼動率90%以上(Market-SISデータ)の5つを紹介し、クリアする項目が多いほど好業績になるとした。現在好業績を上げている「リゼロ」は、設定1のコイン単価は高めでも他の4項目はクリアしており、今後の増台予定も踏まえると機種活用によって明確な業績差が出てくるとして「リゼロ」を業績向上させる設定活用を提案した。
「分析したところ、設定6をいかに有効に使うかによって大きな業績差が生まれるという結論に至った。設定6でフル稼動するのは当たり前だが、それ以上の結果が出ている。まず遊技客に設定6が伝わっていること、そしてもう一つは設定6の相乗効果で低設定のアウトが上がる。ファン向けのサイトセブンのスランプグラフをみても設定6は右肩上がりの傾向が出やすく、情報公開でその挙動をみれば来店動機につながるため、低設定のアウトが引き上がる。顔認証データでも『リゼロ』の遊技客層は若年層が多く、情報公開を活用する層と一致しており、客遊技時間も設定6は平均5時間33分と過去に例をみない。この辺りも駆使していかに低設定のアウトを上げるかがポイントになる」と解説。今後の増台予定に加え、高射幸性機が減っていく中では「リゼロ」を一つの柱として育てて中長期の稼動を維持させることが重要とした。
また、消費税増税で貸しメダル料金の引き上げを実施する際に業績向上させるポイントと注意点も提案。昨年4月~12月に引き上げを実施した店舗のアウトや売上等の上昇率が最も高い傾向にあるとして、実施の際のポイントについて「単に引き上げるだけでなく、ファンに来店動機を提供する戦略を伴わせることで業績差を生み出している傾向がある。実施に伴ってアウトを上げるひとつの方策として、活用を甘くする戦略を提案したい。遊技客に伝わるには最低でも3カ月の努力が必要。逆にその努力ができないなら貸しメダル料金の引き上げは危険になる」と説明した。また、注意すべき点として「貸しメダル料金の引き上げの実施前後でアウトと出玉率を変えずにシミュレーションすると、何も変わらないはずでもコイン粗利が辛くなる。実施前後で同じ運用だった場合、気付かずに辛くなっている可能性がある」として、自店データでのシミュレーションによる確認を促すとともに、辛くならないよう自店の出玉率を若干上げる設定活用の方法なども紹介した。
さらに、設定付きパチンコについては、同社のサイトセブンやパチロボでウェブアンケートを採った結果、ファンの不満点は「高設定が入っていない印象」「設定判別が難しい」「好みのスペックの台がない」の3つに集約されたとして、とりわけファンの不満を解消するための設定運用の重要性を説明。「DK-SISの設定付きパチンコモード別データでは、低設定(設定1・2)だけで営業している店舗が約60%を占めている。メイン機種がない現状では高設定を使えないのもわかるが、使える機種が出た時にはファンに伝わる設定戦略が必要になる」とし、機種運用にあたって設定戦略と活用戦略のどちらを優先するかについても「設定戦略は情報公開で高設定のイメージが伝わるが、活用の違いはわかりづらい。ファンに数多くの遊技動機を提供するには設定戦略の方が効果がある」と解説した。加えて設定付きパチンコの情報公開についても、同社ではファンに伝わる情報の出し方を進めているとして、具体的に確変中と時短中を分けた情報公開を紹介。「従来は設定6を使っても設定1より低いデータが出る場合もあったが、確変中と時短中に分けた出力により、時短の引き戻しも含めて高設定が確実に伝わる情報公開ができるようになった」と説明した上で、「従来は高設定が伝わりづらい状況だったが、これによって設定戦略がパチンコでも実現する。今後は設定付きパチンコのコーナーを構築し、高設定を使い、情報公開で明確に伝えることで、パチンコの復活を実現させていきたい」と括った。